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「アクアマン」 ★★★☆ 3.5

◆海のバーフバリ!DC復活の単純明快な超王道ヒーロー娯楽大作、圧巻のCG映像・海中世界をIMAXや4Dで楽しむアトラクション映画としては文句なし

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海と陸、2つの世界の架け橋となる男が様々な苦難を乗り越えて成長しヒーローになっていく、誰でも楽しめる超王道ハリウッド映画。前作の「ジャスティス・リーグ」や過去のDCシリーズを見ていなくても全然大丈夫、海で大暴れするだけの単純明快な話でアメコミ初心者でも十分に満足できる見やすさ。圧巻のCG映像・海中世界は、これこそIMAX4D(水の演出でビショビショ間違いなし)で見るべきで「アトラクション」体験が出来るはず。

 

昨今のアメコミ映画は、マーベルをはじめ社会問題を内包したテイストで批評家受けも狙った上品な作風が主流になっている(ブラックパンサーなどアカデミー賞ノミネートまでされた)。DCもこだわりすぎたのか?バットマンやスーパーマンで没落しかけたのを吹っ切って、「ワンダーウーマン」(フェミニズム潮流)から「アクアマン」の史上最大のヒットにつなげたのは見事。

いちおう環境問題を入れてはいるが形だけのオマケみたいなもので、基本的には王道ストーリーで時間も143分と長め、どこかで中だるみするかと思ったが詰め込み過ぎの設定で飽きずに見続けることは出来る。まあ、ストーリーのまとめ方とキャラの掘り下げが物足りない気はするが全体的なバランスは良かったのかな。「バーフバリ」や「マイティーソー」などいろいろな映画の既視感はありありだが・・(主人公が一国の王子、兄弟の争い、伝説の武器の存在等)

 

監督はジェームズ・ワン「ソウ」インシディアス」「死霊館」などホラー映画から「ワイルドスピード」で上り詰めて、ハリウッドで最も勢いのあるアジア系監督になった。序盤の子ども時代の水族館シーンでのサメなどが集まってくるホラー感や、発煙筒を照らしてトレンチの大群に追われながら海底深く潜っていく底知れぬ怖さなどのホラー演出はさすが。アトランティス王国での海底の建築、技術、色彩も本当に美しくて、次々と出来てくるクリーチャー感、特に甲殻類のデザインは最高。ただ、人物の着ている衣装がダサいのと、みんなも思うであろうブラックマンタのデザインは好みでは無かった。

 

カメラワークは地上も海中も重力を感じさせない独特の動きで、水中での決闘や大規模な戦争シーンはものすごい迫力、特に水中でのアクションのクオリティは見たことないレベル、どうやって撮影してるのか?どこまでがCGなのか全く想像できない・・

シチリアでのブラックマンタとのシーンは2つの場面をうまく空間でつなげて、どこで何が起こっているのか分かりやすく切り替えているのが感心した。ただ、静かな会話してたと思ったら後ろからドカン!!とビックリさせるのが多く、飽きさせないようにしたいのだろうが、パターン化されると少し冷めてしまった。アフリカ上陸の時にかかったTOTOのAFRICAサンプリング曲もどうなんだろう・・

基本的に、逃げて襲われて戦っての繰り返しなので、見せ場だらけの演出でストーリー含めて抑揚は無く、感情移入しにくい。正直ラストもあまりカタルシスは感じられなかった・・ので、今回は特にネタバレ・考察もしようがない・・

 

役者は、主人公のジェイソン・モモアがとにかくかわいい、最初の記念写真とか素のままでは。近所の頼れる兄ちゃん的な感じなのに海底王国の王子で筋骨隆々と愛嬌のギャップが女子受け間違いなし。王位継承問題(そもそもが曖昧)などどうでも良いくらい、アクアマンが神すぎて、弟オームが孤独で可哀想、母親は死に婚約者の心は自分にはなく参謀も裏でアクアマンの味方してるし。

ヒロインのアンバー・ハード演じるメラは、強くて可愛くて美しくて「ワンダーウーマン」と並び女性キャラとして魅力的。髪の色はアリエルだし、ジョニーデップに訴えられてる元妻というのがリアルで凄すぎる。

母親のニコール・キッドマンは相変わらずの美しさで貫禄あり、いったい何歳ですか? でも、あの父と母からジェイソン・モモアは無理があるような・・最後の父母の再会はちょっとウルッときた。ウィレム・デフォードルフ・ラングレンなども豪華だった。

 

ちなみに、死霊館シリーズでお馴染みの人形アナベルがチラッと映るとのこと。アクアマンがメラと初めてアトランティスに向かうシーンで海底にある古い建物に向かって泳いでいく途中に地面に映るらしい。