◆2019年に観た新作の中からワースト映画を選んだので発表していきます(明らかなファン向け少女向けキラキラ映画やB級映画は除く)。
あくまで私個人が合わないと感じた作品なので、みなさんにとっては面白い作品かもしれません。決してその作品やスタッフ・役者を否定しているわけではありませんのでご了承ください。
個人的に「ワーストな作品」だと思うのは、製作陣の熱意を感じない明らかな手抜きや工夫のないもの、映像でなく全て言葉で説明してしまうもの、テレビドラマレベルで映画的でないもの、役者や話題性ありきで儲けのみを狙ったもの、大々的な宣伝や予告編でウソをついて騙したり欺いたもの、総じて観客を低く見てバカにしたようなものです。
2019年も安易な続編ものやリメイクが多かったが、特にディズニーもネタ不足なのか名作を次々と実写リメイク。ステレオタイプのヒロイン像のアップグレード、現代社会への批判、ポリティカルコレクトネスなどで改変したが、そのシリーズらしさやオリジナルの魅力を損なうパターンが増えているのが気になった。
■洋画ワースト
【第10位】「ミスター・ガラス」
3部作の締め集大成としては悪くないが期待外れ、「スプリット」はマカヴォイの演技以外は全然ダメだったが、今回もラストにつなげるための強引な後付け感が半端なく、3人を結び付けるロジックもお粗末で好みではなかった。
相変わらずのスローペースな語り口とテンポの悪い遠回しな展開から、19年越しに引っ張ったラストにしては肩透かし気味の地味な終わり方でいろいろと「弱い」という感想だけ、シャマラン流のヒーロー像には納得できず合わなかった。
【第9位】「ブライトバーン 恐怖の拡散者」
もしもスーパーマンがグレたらどうなるのか?思春期に反抗期を迎えた新しいヒーローもの、期待のわりに全然怖くも面白くもなかったホラーだった。容赦ないグロ描写は好みだったが、主人公の少年や他の登場人物の魅力が薄くて感情移入できず・・
異星人だから人を殺しても悩んだり葛藤したり感情の変化がなく単純に気に入らないから殺すモンスター扱い、両親の描き方も弱いので親子の物語も全く響いてこない、続編作る気満々なのも嫌。
【第8位】「ジェミニマン」
名匠アン・リー監督まさかの駄作、やはりアクションとの相性はダメだったか、CGで描かれたクローンの若きウィル・スミスのリアリティは圧巻でハイスピードバイクのアクションなど見どころはあったが、そこだけに力を入れすぎて肝心のストーリーが全然ダメ。
使い古されたテーマは既視感ありのシーンばかり、映像でなく説明口調の会話が多く、脚本が雑で全体を通してのっぺりしていてラストも盛り上がりも意外性もなく退屈だった。
【第7位】「X-MEN ダーク・フェニックス」
迷走を続けた末路シリーズを終わらせる事だけに必死になった結果、ジーンの暴走に第三勢力という全く厚みのない内容の軽さ、アクションは悪くないが人間ドラマもいまいちで各キャラの扱いも酷くやる気のない形だけの完結編。
星が滅ぶレベルの能力の規模に対して話が狭すぎて、単なる身内のゴタゴタ内輪もめに収束させてしまうあたりがこのシリーズらしくもあり。アベンジャーズと対照的すぎるジ・エンドゲームの終わってる作品。
【第6位】「メン・イン・ブラック インターナショナル」
別に作る必要が全く感じられなかったシリーズ4作目、キャスティングの時点で魅力に欠けるのにネームバリューに頼っただけでハチャメチャ感がなくなり、目新しさも笑えるシーンも無くダラダラ続く。
スパイ物が強まった分エイリアン物として弱くなったのは本末転倒、何より肝心の奇抜で面白く魅力的なエイリアンが全然出ないし、ガジェットもアクションも話自体がつまらなくオチも予想通り。今田美桜や吉本総出の吹替も本当に酷い。
【第5位】「ライオン・キング」
アニメやミュージカルで完成され尽くした作品の単なる焼き直しで、現代的に改良された脚本でもなく時代錯誤なまま新たな驚きも感動もない。
確かに超実写版と銘打ったアニメを超えた映像は物凄いし本物にしか見えない、だからこそアニメでの感情豊かな表情がなくなりただ動物が歌っているだけで全く響かず、更に捕食される側の草食動物がライオン一匹にひれ伏す画や生命の環が現実味をもってあり得ない、リメイクした意味が分からず。
【第4位】「ペット2」
安易な続編もの、本物の毛並みでCGアニメのクオリティはさすがだが、3つの同時進行のストーリーがとっ散らかって分かりにくく、中途半端に描かれているのでそれぞれの成長や物語に重みがない。
サーカスやホワイトタイガー、猫の話は無くても良かったし、最後の強引な絡みやまとめ方も何だか。もふもふ動物たちの可愛さとドタバタだけで観終わって全く何も残らないけど、子ども向けのファミリー映画に特化するならこれでいいのかな。
【第3位】「ダンボ」
ダンボが主人公でなくなっていて、あまり映さないし活躍も少ないのでダンボのビジュアルと飛ぶシーンしか印象に残らず。オリジナルから新たに付け足した要素はどれも中途半端で平易な展開で、大人には掘り下げが甘く子供にはダークで分かりにくい。
展開は徐々に減速しラストはジュラシックパーク状態、せっかくのティム・バートンらしい毒気や狂気が希薄で物足りなく、ディズニーのポリコレに染まってしまったのかガッカリ。。
【第2位】「大脱出2」「大脱出3」
この続編では相棒シュワちゃんが離脱して、まさかのスタローンも主役ではなく出番が少ない、ストーリーは超不思議な展開と不条理設定で何を見せられているんだ状態、脱出もはや頭脳戦でなく筋肉戦。ハイテク監獄のデザインやCGもダサすぎて前作とは全く別次元の中国資本の完全なB級映画になってしまった、ポスター予告詐欺。
そして3は大潜入救出劇になり2よりは若干マシになったがツッコミどころ満載でB級アクションシリーズ化まっしぐら。
【第1位】「メリー・ポピンズ リターンズ」
あの往年の名作「メリー・ポピンズ」から50年ぶりの続編、衣装や美術、ミュージカルやアニメーションと実写の融合のレベルの高さはさすがだが、曲の魅力や音楽にメリハリもなく何より脚本が酷くて無駄なシーンが多い。
世界恐慌で現実逃避の何でもあり感で楽しく踊っていればOK!に違和感あり、ラストのご都合主義も愛が大事と歌いながら権力とお金で解決という酷さ。続編を作った意義が全く感じられず現代を描けば良かったのに。
※【2019年 洋画ワースト 一覧】
① メリー・ポピンズ リターンズ 1.5
② 大脱出2、大脱出3 1.5
③ ダンボ 1.7
④ ペット2 2.0
⑤ ライオン・キング 2.0
⑥ メン・イン・ブラック インターナショナル 2.2
⑦ X-MEN ダーク・フェニックス 2.5
⑧ ジェミニマン 2.5
⑨ ブライトバーン 恐怖の拡散者 2.5
⑩ ミスター・ガラス 2.8