今年は大幅に時期もズレて4月末の発表、直前だけど予想しておきます。
今年はコロナ禍で劇場も閉じて大型作品の公開が少なく、各スタジオもイチオシ作品を出し控えたこともあり、必然的に小規模な良作が多くノミネートされた。突出した圧倒作では無いが作品賞は大本命で最有力候補の「ノマドランド」が固いか。Netflixなど配信作が多かったこともあり、主要作品は「Judas and the Black Messiah」以外は観ることが出来たので、予想しがいあり。
作品と監督は無難にいくとして、主演女優が割れて難しい、白いオスカーの批判を受けて、初の白人以外で主要部門を占める可能性も出てきて面白いところ。
⇒受賞結果が出ました。大方の予想通り「ノマドランド」が作品/監督/女優賞の最多3部門を制覇。コロナ禍はもちろん多様性やジェンダーの意識化、アジア系へのヘイトクライムなどの社会情勢の影響もあっただろうが、やはり最終的には作品として素晴らしいからこその受賞は間違いない。その他は2部門受賞した作品が多く非常にバランスの取れた結果となったが、「シカゴ7裁判」が無冠だったのは意外、Netflixの野望は来年度にお預けか。
⇒個人的な予想としては主演男優/女優賞は外したものの、昨年の出来過ぎた「24部門中20部門(83%)」に続いて、今年度は「23部門中17部門(74%)」とその他含めて全体的には当たった方では・・
本命◎、対抗馬〇、大穴△
【作品賞】
大作がない中、どれが獲ってもおかしくはないが、やはり大本命は「ノマドランド」かな。アカデミーが批判され続けている女性やマイノリティ蔑視というイメージを払拭できるチャンスで政治的な面もあり、テーマや空気感がコロナ禍での今ならではのタイミングもピッタリとハマる。「ミナリ」の単なるアメリカンドリーム物語では無いながら希望を感じさせる展開も良かったが、昨年「パラサイト」のような勢いは無いかな。「シカゴ7裁判」も今のアメリカへの社会的皮肉も込めて完成度は高いが優等生過ぎて勝つまではいかないか。10部門と最多ノミネートの「MANK/マンク」は主要部門では無冠で終わりそう。今回もNetflixは残念ながらあと一歩か・・
『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』 ダリウス・マーダー監督
△『シカゴ7裁判』 アーロン・ソーキン監督
『Judas and the Black Messiah(原題)』 シャカ・キング監督
◎『ノマドランド』 クロエ・ジャオ監督
『ファーザー』 フロリアン・ゼレール監督
『プロミシング・ヤング・ウーマン』 エメラルド・フェネル監督
『Mank/マンク』 デヴィッド・フィンチャー監督
〇『ミナリ』 リー・アイザック・チョン監督
⇒ 受賞 「ノマドランド」
エメラルド・フェネル監督 『プロミシング・ヤング・ウーマン』
◎クロエ・ジャオ監督 『ノマドランド』
△デヴィッド・フィンチャー監督 『Mank/マンク』
トマス・ヴィンターベア監督 『アナザーラウンド』
〇リー・アイザック・チョン監督 『ミナリ』
⇒ 受賞 「アンソニー・ホプキンス 『ファーザー』」
アンドラ・デイ 『The United States vs. Billie Holiday』
ヴァネッサ・カービー 『私というパズル』
△ヴィオラ・デイヴィス 『マ・レイニーのブラックボトム』
◎キャリー・マリガン 『プロミシング・ヤング・ウーマン』
〇フランシス・マクドーマンド 『ノマドランド』
⇒ 受賞 「フランシス・マクドーマンド 『ノマドランド』」
〇サシャ・バロン・コーエン 『シカゴ7裁判』
◎ダニエル・カルーヤ 『Judas and the Black Messia(原題)』
△ポール・レイシー 『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
ラキース・スタンフィールド 『Judas and the Black Messia(原題)』
レスリー・オドム・ジュニア 『あの夜、マイアミで』
アマンダ・セイフライド 『Mank/マンク』
〇オリヴィア・コールマン 『ファーザー』
マリア・バカローヴァ 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのア メリカ貢ぎ物計画』
◎ユン・ヨジョン 『ミナリ』
⇒ 受賞 「ユン・ヨジョン 『ミナリ』」
女優出身の35歳でのデビュー監督作にして自ら書き下ろした脚本も単なる復讐系スリラーを超えて見事だった「プロミシング・ヤング・ウーマン」か、ベテラン脚本家として活躍してきたアーロン・ソーキン監督の意地が勝つか、最後まで分からない・・
〇アーロン・ソーキン『シカゴ7裁判』
ウィル・バーソンシャカ・キング『Judas and the Black Messiah(原題)』
◎エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
ダリウス・マーダーエイブラハム・マーダー 『サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ』
△リー・アイザック・チョン『ミナリ』
⇒ 受賞 「エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
半ドキュメンタリーと言ってもいい「ノマドランド」かなと思いつつ、他でもたくさん獲るので、ここは「ファーザー」に獲らせるかも。
△ケンプ・パワーズ『あの夜、マイアミで』
◎クリストファー・ハンプトンフロリアン・ゼレール『ファーザー』
〇クロエ・ジャオ 『ノマドランド』
サシャ・バロン・コーエン『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
ラミン・バーラニ『ザ・ホワイトタイガー』
⇒ 受賞 「クリストファー・ハンプトンフロリアン・ゼレール『ファーザー』」
『アイダよ、何処へ?』(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
◎『アナザーラウンド』(デンマーク)
『コレクティヴ(英題) / Collective』(ルーマニア)
『少年の君』(香港)
『皮膚を売った男』(チュニジア)
⇒ 受賞 「アナザーラウンド」
これも間違いなく『ソウルフル・ワールド』で決まり、大人向けディズニー映画の最高峰で素晴らしかった。「ウルフウォーカー」も良かったが、ちょっと敵わないかな。
『2分の1の魔法』
△『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
〇『ウルフウォーカー』
◎『ソウルフル・ワールド』
『フェイフェイと月の冒険』
⇒ 受賞 「ソウルフル・ワールド」
⇒ 受賞 「Mank/マンク」
⇒ 受賞 「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」
△『この茫漠たる荒野で』
『TENET テネット』
『ファーザー』
◎『Mank/マンク』
〇『マ・レイニーのブラックボトム』
⇒ 受賞 「Mank/マンク」
⇒ 受賞 「マ・レイニーのブラックボトム」
これも全体的に「マ・レイニーのブラックボトム」だろう。
⇒ 受賞 「マ・レイニーのブラックボトム」
『ゴリラのアイヴァン』
◎『TENET テネット』
『ムーラン』
〇『ミッドナイト・スカイ』
△『ラブ&モンスターズ』
⇒ 受賞 「TENET テネット」
聴こえない音を聞かせる音の世界を体験、まさに「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」
⇒ 受賞 「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」
『この茫漠たる荒野で』
『ザ・ファイブ・ブラッズ』
◎『ソウルフル・ワールド』
△『Mank/マンク』
〇『ミナリ』
⇒ 受賞 「ソウルフル・ワールド」
「あの夜、マイアミで」が一番印象に残っている・・
“Fight For You”『Judas and the Black Messiah(原題)』
〇“Hear My Voice”『シカゴ7裁判』
“Husavik”『ユーロビジョン歌合戦 ファイア・サーガ物語』
△“lo Si (Seen)”『これからの人生』
◎“Speak Now”『あの夜、マイアミで』
⇒ 受賞 「“Fight For You”『Judas and the Black Messiah(原題)』」
〇『ザ・レター・ルーム(原題) / The Letter Room』
『白い自転車』
△『フィーリング・スルー(原題) / Feeling Through』
『プレゼント』
◎『隔たる世界の2人』
⇒ 受賞 「隔たる世界の2人」
◎『愛してるって言っておくね』
△『夢追いウサギ』
〇『Genius Loci(原題)』
『Opera(原題)』
『Yes-People(原題)』
⇒ 受賞 「愛しているって言っておくね」
⇒ 受賞 「オクトパスの神秘:海の賢者は語る」
〇『ア・コンチェルト・イズ・ア・カンバセーション(原題) / A Concerto Is a Conversation』
△『コレット(原題) / Colette』
『ドゥ・ノット・スプリット(原題) / Do Not Split』
『ハンガー・ウォード(原題) / Hunger Ward』
◎『ラターシャに捧ぐ ~記憶で綴る15年の生涯~』
⇒ 受賞 「コレット(原題) / Colette」