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2024年 第47回 日本アカデミー賞(予想 ⇒ 結果)

本家アカデミー賞は3/11ですが、先に日本アカデミー賞が3/8と迫ってきたため(昨年も2-3日間の差)、今年もこちらを予想しておきます。


今年も数年前の酷さに比べればまだましなノミネートだけど・・相変わらず松竹・東宝東映の大手3社による寡占が続き、大御所、所属事務所の影響力、テレビ話題・見栄え要員が明らかで忖度対象の人や作品があるのは残念で恥ずかしい。他の主要な映画賞を獲っている独立系の作品はほぼノミネートすらされず、大手3社に全ての賞が偏り・固まり過ぎ。

キネ旬や毎日など国内の主要映画賞を獲っている「せかいのおきく」はノミネートはなんとゼロ(テレビでぜひう〇こを流して欲しかった)、石井裕也監督の2作品「愛にイナズマ」「月」も助演男優のみ、「ほかげ」「正欲」もゼロという独立系にはやはり壁が高い。その中で独立系「PERFECT DAYS」が入ったのはカンヌ主演男優賞受賞とアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたからで、「ドライブ・マイ・カー」の時と同じく海外の大きな賞を獲った作品には弱いのが見え見え。あと「福田村事件」が入ったのは正直驚いたが、たまに社会派のエッジの効いた作品(左寄り?)を入れて大手忖度だけでないことをアピールするためなのだろう、さすがに今回は「新聞記者」の時のように作品賞受賞は無いだろうが・・


ノミネート割合でいくと松竹33%、東宝45%、東映8%となんと3社で86%を占めるという異常な事態は変わらず・・・投票者の8割が映画会社のサラリーマンである組織人なので自組織作品に入れざるを得ない(命令なのか暗黙の了解なのか?)、ちなみに本家アカデミー賞は逆に9割が映画人(監督、スタッフ、俳優など)で組織人は1割という健全さ。

正直言って「こんにちは、母さん」がほぼ全部門でノミネートされているのは松竹組織票と、いつもの山田洋二監督と吉永小百合への忖度以外何物でもなく、そこまでのレベルではないと思う。今年も言いますが、投票者・審査員のみなさん、自社優先ノルマ・しがらみに縛られないで「映画を愛する一人」として投票して下さい(特に松竹の関係者皆様) 

ちなみに敢えて松竹の過去のゴリ押し作品の各部門受賞実績を書き出すと、昨年2023年「月の満ち欠け」受賞ゼロ、2022年山田洋二「キネマの神様」受賞ゼロ、2021年山田洋二「男はつらいよお帰り寅さん」受賞1部門、2019年「空飛ぶタイヤ」受賞ゼロ、2018年「ナミヤ雑貨店の奇蹟」受賞ゼロ、2017年山田洋二「家族はつらいよ」受賞ゼロ、強い作品は独占することが多いので受賞ゼロも珍しくはないが、ここまで毎回ゼロが続くのも奇蹟のようでつらいよ・・さて今年はいかに?


今年は東宝の比率が高く、東宝ゴジラ-1.0」は12部門と最多ノミネート、同じ東宝の「怪物」が9部門、松竹の「こんにちは、母さん」が11部門、独立系「福田村事件」が3部門、同じ独立系「PERFECT DAYS」が3部門、作品賞枠を譲った?松竹「あの花が咲く丘で」が7部門、東宝/KADOKAWA「首」が6部門、松竹「シャイロック」が3部門というのが主要を占める。

作品賞ノミネートされているのに独立系の2作品は3部門(監督や俳優)のみで、スタッフ技術部門は大手3社に偏っているのが明確でおかしいのが分かる。さんざん日本アカデミー賞を批判していた北野武監督(やらせ・持ち回りとはっきり答えている)の「首」が東宝系なので6部門ノミネートされているが、今回どう思っているのか聞いてみたいところ。


それで、予想としては最多ノミネートで世界中で大ヒットしアカデミー賞ノミネートまで果たした「ゴジラ-1.0」が圧倒的に強くかなり独占する可能性が高い、俳優3部門全ては厳しいがスタッフ技術関連は編集・撮影・音響など独占しそう。個人的には「怪物」や「PERFECT DAYS」の方が評価・好みも高いのだが、「怪物」は俳優1つのみで脚本賞から外れているのでかなり厳しく下手すればゼロかも?、「PERFECT DAYS」も役所広司のみになりそうで、「福田村事件」はせめて脚本は獲って欲しいところ。「こんにちは、母さん」は11部門もあるけどどれも突出したものがないのでゼロになるだろう(今年も?)

 

⇒結果は「ゴジラ-1.0」が最多8部門で最優秀賞受賞とやはり大暴れして圧倒的に強かった、全体的にはほぼ忖度のない順当な結果と言えるのでは。さすがに最優秀賞はそこまで露骨に反映は出来なくなってきているが、そもそもノミネート自体がおかしいのを何とかして欲しい。当然「こんにちは、母さん」の結果は受賞ゼロで記録更新?おめでとうございます・・「怪物」は1部門受賞でメンツを保たれたとして「PERFECT DAYS」の2部門受賞はいい意味で驚いた。

個人的予想の結果は全15部門中11部門的中、自分が評価・希望する方にも動いていたので、主演女優と脚本以外は納得かな。

 

テレビ的には「ゴジラ-1.0」の圧勝ムードはいいとして、安藤サクラ浜辺美波の「W受賞」を何度も何度もゴリ押ししてくるのがすごく冷めた。また毎年のことだがスピーチ時間のバランスはもう少し改善して欲しい、2時間で収める苦労も分かるが俳優陣のスピーチもぶつ切りで作品賞や監督賞、スタッフ系のスピーチなどもう少し上手く編集できるはず、新人の時間が長すぎ(各事務所からの宣伝が重要なのだろうが)で作品紹介含め省けるはず。

テレビ進行司会のオードリー・若林も慣れてきたが当たり障りないコメントだったかな(逆に突っ込みがいのある坂上忍が懐かしくもなった)。今年の司会の岸井ゆきのは、最初の息が詰まって話せなくなるのはリアルハプニングだったが、映画好き・役者目線ならでは質問は良かったと思う(テレビでは結構省かれていたようだが)。

 

 

 

 

【作品賞】

今回は自分のベスト20に入っているのが4作品(「PERFECT DAYS」1位、「怪物」2位、「福田村事件」5位、「ゴジラ-1.0」13位)あるので、松竹山田確保枠は除いて選出は妥当かと思う。「月」はさすがに内容・テレビ的には厳しいだろうが「福田村事件」が入ったのは正直ビックリ(「新聞記者」の時と同じように話題となり興行的にもヒットしたので不思議ではないが)。
この中では、やはり全体的にも「ゴジラ-1.0」が本命で強い、世界興行収入が100億越え、北米で邦画最大のヒット作で日本初のアカデミー賞・視覚効果賞までノミネートされたこと、ロングランでの公開や拡大も相まって前世代に幅広く知られていること、今年の邦画を一番代表している作品なのは間違いない。他の部門ノミネート数も多く会員の年齢層や好みからも独占する可能性が高い。個人的にはVFX含め誰でも楽しめるエンタメ作品としては評価しているが、山崎監督らしい?いつもの脚本の薄さ、泣かせる演出や音楽、大げさなセリフで語り過ぎな点は合わなかった。
「怪物」は脚本や監督の演出も完璧で完成度としてはベストで可能性はあるが、怪物度合いとしては同じ東宝ゴジラの方への集中・流れが強いかな、とにかくなぜか信じられないが脚本賞ノミネートされてないのも痛い。「PERFECT DAYS」は個人的にベストなので映画的には獲って欲しいが、配給会社も独立系で小さく、ゴジラとは対極の淡々と地味な展開で一般受け・浸透度合いが薄いので厳しいかな(脚本賞編集賞も外れてるし)
。「福田村事件」は脚本も良く内容的には意義のある作品で、これをきっかけに見る人が増えて欲しいが、如何せん公開館数や認知度が低いのが難点かな(「新聞記者」の時ほどではない)。「こんにちは、母さん」は松竹山田確保枠なので論外、山田監督安定の小市民劇としては面白いけど受賞するレベルではない。

 

〇「怪物」

◎「ゴジラ-1.0」

 「こんにちは、母さん」

 「福田村事件 

△「PERFECT DAYS」

 

⇒「ゴジラ-1.0」

俳優陣は1部門だがこれだけスタッフ部門が独占していれば当然作品賞も間違いないので発表時の緊張感は全くなし、本家アカデミー賞に向けて箔をつけるような動きもあったのだろうが、万人受けエンタメ映画として全員納得の結果なのかな

 

  

【監督賞】

これも順当にいけば作品賞と連動で初のアカデミー視覚効果賞と世界興行収入からも「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督だろう、作品賞がもし「怪物」なら是枝監督も無くはないけど過去から常連だし今回は譲りそう。敢えて作家性の高い外国人のヴィム・ヴェンダース監督が獲ったら面白いけど、日本の会員としては余程の映画好きでないと選ばれないかな。ドキュメンタリーの雄・森監督も初の長編実写としてらしいテーマ含め見事だったが受賞までは厳しいかな。

松竹枠として山田洋二監督が入ってないのは驚きだったが、代わりに同じ松竹枠として監督は「あの花が咲く丘で」を選出したらしい・・興行収入は松竹の実写作品としては歴代2位の41億超えと若者を中心に泣ける映画として相当ヒットしているので作品賞の方かと思ったが・・しかし石井裕也監督、阪本順治監督、塚本晋也監督もいないのは寂しい限り。

 

△「ヴィム・ヴェンダース」(PERFECT DAYS)

〇「是枝裕和」(怪物)

 「成田洋一」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

 「森達也」(福田村事件)

◎「山崎貴」(ゴジラ-1.0)

 

⇒「ヴィム・ヴェンダース

これは正直驚いた、作品賞と合わせて山崎貴監督だとかなりの人が思っていたのでは。個人的には「PERFECT DAYS」がベストなので評価は嬉しいけど、逆に変な力が働いたのかと疑ってしまう自分が怖い。

日本アカデミー賞の歴史上で初の外国人監督の受賞(そもそも絶対数が少なかったのもあるが)、今回は世界的名匠ということで会員の憧れや尊敬もあったのか?、本家アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされているのでいつもの海外受賞ものには弱いからか? いずれにせよ日本大好きなヴィム・ヴェンダース監督には本当に嬉しい結果になったのでは(代わりに役所広司が受賞コメントしていたが)。

 

 

【主演男優賞】

ここはどう考えても役所広司しかないだろう、口数少なく決まりきった繰り返しの毎日を過ごす難しい役を身体・表情・目などで繊細な感情の変化を見事に表現していて、日本人初のカンヌ主演男優賞も受賞しているので次元・役者が違う。ただ、鈴木亮平もまさにエゴイストながら自然体でのゲイ役の溶け込み具合が素晴らしく、普通ならダントツで受賞しているレベルだけど今回は相手が悪すぎただけ。

あとは、ゴジラの独占具合では神木くんもあり得るかも・・個人的には役所広司とは真逆の大げさな演技と全て口で説明する幅の狭さがどうしても受け付けず(監督の演出に従っているだけで本人は本当は上手い)。阿部サダヲは昨年の「死刑にいたる病」の怪演は納得も今作でのノミネートは松竹枠だとしても謎?、水上恒司は事務所も名前も変えて頑張っているとは思うが、同じ松竹の売り出し若手として若い女性狙いでのノミネートなのかな?

 

 「阿部サダヲ」(シャイロックの子供たち)

△「神木隆之介」(ゴジラ-1.0)

〇「鈴木亮平」(エゴイスト)

 「水上恒司」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

◎「役所広司」(PERFECT DAYS)

 

⇒「役所広司

これは当然、もちろんカンヌ主演男優賞の後ろ盾や作品が本家アカデミー賞ノミネートの力もあるだろうが、さすがに頭一つ抜けていたので誰も文句はないはず。鈴木亮平は今回はタイミングの問題でこれからチャンスがあるので次回は是非獲って欲しい、神木くんは昔の子役時代の映像が出て可愛かった(襟足の長さ笑)。

阿部サダヲが会場に来ている脚本家の正体が原作者の池井戸潤(別名を使用)だとバラして敢えて放送したのは、あーー日テレらしいなあーとドン引きした。これが渦中の脚本者と原作者問題の当事者テレビ局としてのスタンス(いまだ調査中の責任感なし)

 

 

【主演女優賞】

本来なら「ほかげ」の趣里が入るべきだが(NHK朝ドラ主演もあり今回は可能性あるかとも思ったが)、過去から無視され続けている塚本監督の独立系なので厳しかったか・・「せかいのおきく」の黒木華や「658km、陽子の旅」の菊地凛子、「月」の宮沢りえ、「愛にイナズマ」の松岡茉優も外されて独立系からは1作品が限度なのだろう。

ならば、この中では普通なら間違いなく「市子」の杉咲花の一択しかない、背負った重い運命を悲哀ながら力強く生き抜く女性を見事に演じ切って一段ステージを上げた感じ、あえてこの部門だけノミネートされているのは受賞のためか(昨年の岸井ゆきのと同じ)。あとは、安藤サクラはさすがの安定感でモンペアぶりを発揮していたが今作では主演として飛び抜けてるわけでもないかな(「BAD LANDS」での主演の方なら納得だが)。

浜辺美波は昭和顔の美しさも見事にゴジラ独占具合では可能性は十分にあるが、こちらも監督演出のせいか大げさで好みの演技ではなかった(来年の司会要員の話題性はあるがこれは花ちゃんでも全く問題なし)。そして作品賞なしの東映ゴリ押し枠や事務所の力もあったのか綾瀬はるかも謎?、得意のアクションや存在感は良かったが杉咲花と比べてしまうと厳しい。

最後の小百合枠は永久確保枠なので諦めるしかないが、もう逆にノミネートしないと何が起きるか気になる、特別枠か殿堂入りでいいので後進に譲って下さい。同じく殿堂入りでも良い役所広司の常に挑戦し続けて世界で評価されているのとは大違いで、いつもの吉永小百合のままの役柄と演技、監督もそれありきだし、一度ケイト・ウィンスレットの世界の女優賞にふさわしい演技を見て下さい。

 

 綾瀬はるか」(リボルバー・リリー)

〇「安藤サクラ」(怪物)

◎「杉咲花」(市子)

△「浜辺美波」(ゴジラ-1.0)

 「吉永小百合」(こんにちは、母さん)

 

⇒「安藤サクラ

いやーこれはサプライズだわ、安藤サクラの実力は認めるし演技も良かったのは間違いないが、今作の「怪物」は少年二人を主人公とした4つの視点からの物語で、主演女優の立ち位置としては弱いのに。「怪物」は脚本が外れているので東宝・是枝監督への忖度として何かしら一つは獲らせる力が働いたのか?(実際「怪物」はこの1部門のみ)

何よりも最初から助演女優との10年ぶりの「W受賞」という宣伝?で強調・推し進められていたのが獲らせる既定路線っぽかったので興ざめした。本人もコメント含め驚きとあまり納得してないように見えたのは気のせいかな(受賞した以上は他の人に失礼の無いようには心がけていたようだが・・昔の樹木希林までの露骨さはなかった)。

杉咲花ちゃんは残念だったけど(そもそも「市子」を見ていない投票者もいそうだし)、これからもチャンスがあるので是非リベンジして欲しいし絶対に獲るだろう、唯一の着物でキレイだった、綾瀬はるかの衣装も見る分には良かった。吉永小百合はあえて一人だけ黒の衣装で控えめに後ろを歩いてコメントも控えめだった、本人も会社や周囲からの都合で担ぎ出されているのも分かっているだけに思うところはあるんだろうな(だからこそ特別賞とかでいいのでは)。

 

 

助演男優賞

ここは誰が見ても間違いなく「月」の磯村勇斗しか考えられない、作品的にノミネートしづらい中で唯一この部門はノミネートせざるを得なかっただけの説得力、誰もやれないまさに命をかけて挑んだ覚悟の演技は満場一致だろう。更に他の全く違う役を5作品(「正欲」「渇水」「波紋」など独立社会派と「東京リベンジャーズ2」の大手不良役)で演じ分けているのも信じられない・・

なので他の4人は誰でもいいとしても何だこれのノミネート、「怪物」「福田村」で素晴らしかった永山瑛太(なぜかノミネートと縁遠い)も「愛にイナズマ」「せかいのおきく」など4作品で印象的な佐藤浩市もいない代わりに・・大泉洋は得意のジャンルでいつもの上手さだったが松竹枠としても厳しく、加瀬亮のぶっ飛んだ織田信長インパクトはあったが正直いつものたけし映画のキレ役レベルかな、菅田将暉宮沢賢治も頑固キャラは悪くないが普通レベルで、伊藤健太郎は復帰応援なのか松竹枠としても今作ではないかな。

 

◎「磯村勇斗」(月)

 伊藤健太郎」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

〇「大泉洋」(こんにちは、母さん)

△「加瀬亮」(首)

 「菅田将暉」(銀河鉄道の父)

 

⇒「磯村勇斗

ここは当然の結果、他のノミネート人も含め誰もが納得しかないのでは。「月」という映画の製作から公開までの壁の高さへの苦労、石井裕也監督や亡き河村プロデューサーへの想いと感謝を述べたスピーチにもグッときた。

大泉洋は相変わらず立ち回りが上手いなあという感心と、いつも個性的に攻めてくる菅田将暉の金髪・眉ぞりはさすがだった、伊藤健太郎は何事も無かったように完全復活しているが・・人による線引きがよく分からない・・

 

 

 助演女優賞

はい、助演は毎年のことだが今年も酷い・・大手3社や事務所の調整枠とテレビ視聴率用の要員枠として毎年何かの力が動いているのだろうか?(ノミネートされた人には罪はないのであしからず、今作品の演技としてはの話)。大本命の「月」の二階堂ふみが外されて(磯村隼人はOKなのに?)、「エゴイスト」の阿川佐和子も「怪物」の田中裕子もいない、「キリエ」の広瀬すずも今回は外されてビックリ・・

毎回、松竹から2~3名を無理やり出していて(変な作品からも)、ベテラン女優枠や見栄え・若者受け枠も定番化しているような気がする。この中だと消去法で「ゴジラ」の安藤サクラしかいない、出番は多くないけどさすがの安定の演技で作品に深みを与えていた、主演女優は獲れないからこちらの方かな(昨年も助演獲っているので2年連続になる)。

あとは順番含めどうでもいいが、浜辺美波も主演女優を獲れないのでこちらでの可能性もなくはないが今作の「仮面ライダー」で獲るのは微妙過ぎる、松坂慶子は素晴らしい女優だと思うが今回は松竹枠と吉永小百合の補助枠(同じベテラン女優を入れることで違和感・文句を避ける)としてかな(神木、浜辺、松坂の3人で朝ドラの話題用もあり?)。永野芽郁も今回は松竹枠だが毎回ノミネートされていて若者受け要員となっているのは本人のためにも良くないのでは、上戸彩もよくノミネートされるが何要員なのか?事務所の力が強いのか?今回は松竹枠というだけでは弱い気がするので・・

 

◎「安藤サクラ」(ゴジラ-1.0)

 「上戸彩」(シャイロックの子供たち)

 「永野芽郁」(こんにちは、母さん)

〇「浜辺美波」(シン・仮面ライダー

△「松坂慶子」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

 

⇒「安藤サクラ

ここは消去法でいっても当然の結果、本人もゴジラの一端となって普通のおばちゃんとして貢献できて嬉しいとのこと、先に助演だったので本人の驚き戸惑いのドキマギしたコメントはちょっとだけイラっとしてしまった(やはりいまいち納得してないのか?でもこのメンツなら自分しかないのも納得?)

浜辺美波も相変わらずキレイだったけど、「W受賞」と言われまくりで何か可哀そうだった、普通に考えても主演女優と助演女優を同一年で受賞するのは異常なこと、よほど作品も演技も特別で圧倒的でないとノミネートだけでも難しいはず(世界でも滅多にない)。松坂慶子の昔の映像の美しさは本当に別格、改めて昔の女優さんの美人度は今とは尺度が違うと実感(今も今でいいけど)。

 

 

【アニメーション作品賞】

今年もアニメーションが強かったが、この5作品のノミネートは納得で激戦、昨年は「ONE PIECE」や「すずめの戸締り」を押さえて「FIRST SLAM DUNK」が獲ったので今回も悩むところ。それでもやはり、7年ぶりの復活作であれだけ自由に作った宮崎ワールド全開の「君たちはどう生きるか」が強いかな、アカデミー賞にもノミネートされていてヒットもしているので。

「BULE GIANT」も王道スポコンでジャズ初心者でもその魅力に取りつかれる見事な音楽・アニメ表現だったので受賞したら面白い、「トットちゃん」もただ純粋な子供目線で多くを語らない反戦映画として完成度は高かった、「鬼太郎」も大人向けのバディものダークミステリーとして初見でも楽しめる面白さだった、「コナン」は興行収入としてはダントツで安定の面白さだけど、みんな受賞まではやはり厳しいかな。ちなみに鬼太郎が東映であとは全て東宝という強さ。

 

 「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

◎「君たちはどう生きるか

△「窓ぎわのトットちゃん」

 「名探偵コナン 黒鉄の魚影」

〇「BLUE GIANT

 

⇒「君たちはどう生きるか

全作レベルが高いけど、やはり宮崎駿の復活作は強かった、こちらも本家アカデミー賞への泊付け・後押しもあるのだろうが、芸術性・商業性の両立としても納得では、正直こちらはどうでもいいので本家アカデミー賞を獲って欲しいところ。

あと改めて「BLUE GIANT」と「名探偵コナン」がどちらとも立川譲監督だと言うのが何気に凄い。

 

 

【外国作品賞】

「パリタクシー」以外は妥当なノミネートかと、なかなか難しいが、やはり「ミッション:インポッシブル」になるのかな、興行収入もファンも多く他に比べて万人受けのエンタメ映画としては全会員に選ばれやすいだろう(ただPART ONEの続き物をどう捉えるか)、昨年はトップガンだったので連続でトム・クルーズ作品になるかどうか?

次は話題性や世界収入やアカデミー賞ノミネートで「バービー」もありえるが日本ではバーベンハイマー問題もあり敬遠される方が多いかな、同じくアカデミー賞ノミネート「キラーズ」も巨匠マーティン・スコセッシアメリカの黒歴史を描いた3時間20分の見ごたえあり大作だが好みが分かれるので厳しいかな。個人的には「TAR」がケイトの演技含めて映画の完成度・余韻ではベスト作品なので獲って欲しいが、地味で難解な映画マニア向けなので厳しいかな。そしてなぜか入ってきた「パリタクシー」、シンプルなロードムービーとして良い映画なのは間違いないが5作品の中に入るまでではなく、よく見たらやはり配給が松竹だったのでそういうことか・・

 

△「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

〇「バービー」

  「パリタクシー」

◎「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」

 「TAR ター」

  

⇒「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」

こちらはやはり日本では興行収入や万人受けエンタメ作品としてはこれしかない、トム・クルーズ作品としては2年連続受賞となりおめでとうございます。

 

 

 脚本賞

いやいや「怪物」の坂元裕二が入ってない時点で全く信用なし(カンヌでも脚本賞獲ってるし羅生門形式での緻密で見事な構成だったが)、基本的に作品賞とリンクするので「怪物」の作品賞は厳しいということ。他の候補「せかいのおきく」も「月」も入ってないとなると、作品賞と合わせて「ゴジラ-1.0」になるのだろうが、個人的にはやはり人間ドラマとの構成やご都合主義のお涙頂戴のいつもの薄い脚本だと思うので脚本賞ベストとは言えない。

それでも今回はゴジラの可能性が高いが、敢えて希望も込めて「福田村事件」にしたい、前半の個人の積み重ねから終盤の事件が起きるまでの構成・展開が見事だった、他部門がゴジラ独占状態になるので、唯一弱そうなこの部門で一矢報いたい。。あとは「こんにちは、母さん」は山田監督作品としては普通だし、「あの花が咲く丘」も松竹枠で原作小説から個人的にはお涙頂戴ありきで特攻の描き方含め全く受け付けなかった、「シャイロック」も松竹枠で原作の池井戸潤がすごいだけなので論外かな。

 

◎「佐伯俊道/井上淳一荒井晴彦」(福田村事件)

 「ツバキミチオ」(シャイロックの子供たち)

 「山浦雅大/成田洋一」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

〇「山崎貴」(ゴジラ-1.0)

△「山田洋次/朝原雄三」(こんにちは、母さん)

 

⇒「ゴジラ-1.0」

こちらは希望通りとはならず、やはり作品賞に連動して「ゴジラ-1.0」でした、うーん、「福田村事件」や「怪物」より脚本が優れている評価ポイントを聞いたみたいところ。

「福田村事件」は受賞ゼロ、テレビでも作品紹介が少しあった程度でほぼ目立つところなし、「新聞記者」の時とは大違いだったのは寂しいが内容的に止む無しかな。怪物」は主演女優賞に忖度?するならこの脚本賞を受賞させておけば誰もが納得だったのに・・

 

 

 編集賞

作品賞とリンクしていることが多いので、これも「ゴジラ」になるのかな、ゴジラとの緊張感の中で人間ドラマを上手く取り入れながら分かりやすく編集していたので目立ちやすいか(個人的には上手く連動してないと思うが)。「怪物」は時系列や3者視点での切り替えなどラストに向かうまでを見事につなげていたので獲って欲しいところだが、当てに行くとなるとゴジラか・・

△「岩間徳裕」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

 「北野武、太田義則」(首)

〇「是枝裕和」(怪物)

 「杉本博史」(こんにちは、母さん)

◎「宮島竜治」(ゴジラ-1.0) 

 

⇒「ゴジラ-1.0」

順当な結果でした。

 

【撮影賞】

「月」や「せかいのおきく」「PERFECT DAYS」が無視されているので、この中だとやはり特撮・空撮が圧倒的な「ゴジラ」になってしまう、昨年も撮影・照明・美術はセットで特撮の強い「シン・ウルトラマン」が独占したこともあり今回もセットでゴジラだろう。怪物のカメラワークや映像感も素晴らしかったので個人的には獲って欲しいところ、「キングダム」もあれだけカネをかけた大作での撮影の苦労は見て取れるが前作などで受賞済でいいかな、「首」も同様に力は入ってたが北野武監督の感想を聞いてみたいところ。

〇「近藤龍人」(怪物)

△「佐光朗」(キングダム 運命の炎』)

◎「柴崎幸三」(ゴジラ-1.0)

 「近森眞史」(こんにちは、母さん)

 「浜田毅」(首)

 

⇒「ゴジラ-1.0」

順当な結果でした。

 

【照明賞】

基本的に「撮影賞」とセットの場合が多いので(ノミネートもまさに同じ)、 こちらも「ゴジラ」か「怪物」か悩ましいところ、だが「ゴジラ」になるだろう。

〇「尾下栄治」(怪物)

△「加瀬弘行」(キングダム 運命の炎)

◎「上田なりゆき」(ゴジラ-1.0)

 「土山正人」(こんにちは、母さん)

 「高屋齋」(首)

 

⇒「ゴジラ-1.0」

順当な結果でした。

 

美術賞

こちらもカネのかかった大作が強いので、特撮を輝かせた様々な舞台やセット、戦後の闇市(個人的にはキレイ過ぎたが)など細かいところまで再現した「ゴジラ」になるだろう。カネをかけたわりにノミネートが少ない「レジェンド&バタフライ」に東映が意地をかけて取りに来るか?でも敵わないかな、個人的には一見地味だけど「怪物」の美術が良かった。

◎「上條安里」(ゴジラ-1.0)

〇「瀬下幸治」(首)

 「神田諭」(こんにちは、母さん)

△「橋本創」(レジェンド&バタフライ)

 「三ツ松けいこ、徐賢先」(怪物)

 

⇒「ゴジラ-1.0」

順当な結果でした。

 

【録音賞】

これもゴジラの足音や叫び声、光線、戦闘シーンなど音響の設計も含めてこの中では抜けている「ゴジラ」だろう。しかし、何で技術賞すべてに「こんにちは、母さん」が入っているのか?松竹枠だとしても投票者が何も考えてなさすぎでは・・

 「鈴木健太郎」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

△「高野泰雄」(首)

◎「竹内久史」(ゴジラ-1.0)

○ 「冨田和彦」(怪物)

 「 長村翔太」(こんにちは、母さん)

 

⇒「ゴジラ-1.0」

順当な結果でした。結局、技術系部門はすべて「ゴジラ-1.0」ということ。良いかどうかは別として。。

 

【音楽賞】

君たちはどう生きるか」の久石譲がいないが(今作は地味でメインも薄めだから?)、この中だと非常に難しいがこちらも怪物かゴジラか・・「怪物」は坂本龍一の最後の作品で各シーンへの寄り添い方も素晴らしく感慨深いが既存曲がメインのため少し弱いかな、「ゴジラ」はあのテーマが流れてくるだけで心躍るが全体的にはそこまで印象深くはなかった。

BLUE GIANT」は上原ひろみが書き下ろし超一流の演奏で本物のジャズとして説得力が半端なかったので推したいところ。「キリエ」も主題曲含めアイナにふさわしくこちらも道端で足を止めさせる説得力ありの曲たちだった、「こんにちは」はまあ普通で特に印象には残らず、なので迷うところだが結局「ゴジラ」になってしまいそう。。

 

△「上原ひろみ」(BLUE GIANT

 「小林武史」(キリエのうた)

〇「坂本龍一」(怪物)

◎「佐藤直紀」(ゴジラ-1.0)

 「千住明」(こんにちは、母さん)

 

⇒「上原ひろみ」(BLUE GIANT

ここは良い意味でのサプライズ、誰もがジャズのとりこになるような本当に素晴らしい音楽・演奏、さすが世界の上原ひろみでした。「坂本龍一」は別の特別賞で落ち着いた感じかな。

 

【新人俳優賞】

毎年一番どうでもいいところで各事務所が今後に踏まえ推して泊をつけておきたいだけの忖度でしょう、今回はみんな演技は良かったので無理やり感が薄いのは幸い。昨年は旧ジャニーズが男性枠4人のうち3人もノミネートと大判振る舞いだったが今年はゼロ、この中ではアイナが一番のはまり役で歌い手として一人二役として印象深い、あとは怪物の難しい役を見事に演じた少年二人が選ばれているのは良かった。

桜田ひより福原遥は子役時代から有名なので今更だし、市川染五郎は映画としては新人だが小さい頃から舞台役者経験を積んでるだけに違和感は半端ない、原菜乃華や高橋文哉はビジュアルも良くこれから長く続けられるように期待。個人的には「ほかげ」塚尾桜雅、「正欲」東野綾香、「渇水」山崎七海が今後に期待できる良さがあった、あと當真あみの可愛さは一番の推し。
 

「アイナ・ジ・エンド」(キリエのうた)

桜田ひより」(交換ウソ日記)

原菜乃華」(ミステリと言う勿れ)

福原遥」(あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。)

市川染五郎」(レジェンド&バタフライ)

「黒川想矢」(怪物)

「高橋文哉」(交換ウソ日記)

「柊木陽太」(怪物)

 

【話題賞

オールナイトニッポンでの投票ということで純粋な映画としての評価とは別物、いつもはいかにも推しの強いファン投票で不思議な結果になることが多いが、今回はまともかも。作品部門は「キリエのうた」で個人的にも岩井俊二監督、アイナ、広瀬すずと好きなメンバー・作品なので良かった、アイナ推しと松村北斗推しの票が強かったのかな?。俳優部門も納得の山田裕貴、「ゴジラ」から「BLUE GIANT」の声優まで幅広く、変幻自在のなりきり度合いの活躍ぶりは評価されるべき。

作品部門:「キリエのうた」

俳優部門:  山田裕貴 「キングダム 運命の炎」「ゴジラ-1.0」「東京リベンジャーズ血のハロウィン編」「BLUE GIANT」」