映画レビューでやす

年間500本以上観る会社員のありのままのレビュー

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「ウィーアーリトルゾンビーズ」 ★★★★ 4.2

◆人生はカフカの城、不条理で終わりがない無理ゲーでラスボスは自分、ゾンビのような大人たち「生きてるくせに、死んでんじゃねえよ」 死んだ両親の火葬場で出会った孤独な中学生4人たちが、クエストや音楽を通じて生を取り戻していく青春ブラックコメディ…

「長いお別れ」 ★★★★ 4.4

◆人生はメリーゴーランド、家族の絆は世代を超えて回り続ける、忘れても残るもの・新しく生まれるもの、キャスト4人の演技は必見! 「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督待望の新作は、オリジナル脚本ではなく直木賞作家・中島京子の小説を元に、認知…

「アベンジャーズ エンドゲーム」 ★★★★☆ 4.6

◆11年間の想い出を総括した壮大なる卒業式!まさかアベンジャーズで泣く日が来るとは・・愛あるマン、アメリカのケツ、そう「3000万回愛してる!」 アイアンマンを初めて観た時に、誰がこのエンドゲームまでの壮大なストーリーを予想できただろうか?、1…

「愛がなんだ」 ★★★★☆ 4.6

◆映画流行語大賞「幸せになりたいっすね」、恋愛のゴールって何だろう?「愛とはなんだ」をどうかしながら「愛がなんだ」とおかしくなる 日本のホン・サンス、ダメ恋愛映画の達人・今泉力哉監督が、角田光代の原作をダメダメ男女の微妙な距離感で見事に映像…

「僕たちは希望という名の列車に乗った」 ★★★★☆ 4.7

◆君たちはどう生きるか・・東ドイツ版「今を生きる」、人生は自分で考え選択していくことの連続、それぞれの守りたい信念とは・・ ベルリンの壁建設前夜の東ドイツで、2分間の黙祷を行った高校生たちが国家への反逆者と見なされて追い込まれていく、実話を…

「誰もがそれを知っている」 ★★★★ 4.4

◆人間描写は流石だが期待値は超えられずと誰もが思っている、血は水よりも濃い、愛より血、そして僕は途方に暮れる・・ 妹の結婚式のために故郷のスペインに帰郷した一家の娘が、何者かに誘拐されたことから、次第に露わになる幼なじみや家族との秘密を描い…

「幸福なラザロ」 ★★★★☆ 4.8

◆現代の浦島太郎・聖人伝説、狼が運ぶ完全なる無垢は現代社会では報われないのか? 新たな寓話的ネオレアリズモの傑作! イタリア中部の隔離された小さな村で、働き者の純朴なラザロと村人たちは、小作制度の廃止を隠蔽する侯爵夫人に騙され労働搾取されてい…

「人魚の眠る家」 ★★★☆ 3.7

◆愛情と狂気は紙一重、脳死や臓器提供について改めて考えさせられる、篠原涼子の渾身の演技に震えが止まらない 東野圭吾のベストセラー「人魚の眠る家」を「トリック」「SPEC」シリーズや「天空の蜂」などの堤幸彦監督が実写映画化。TVシリーズからの…

「快楽の漸進的横滑り」 ★★★★ 4.0

◆快楽の国のアリスに誰もが翻弄され続ける”すべらない話”、前衛アートに近い不条理劇に迷い込むも「最初から全部やり直しだ」 「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティヴ」の4作目、その過激なエロ描写含め先進的すぎる表現が公衆道徳に反すると物議を醸し…

「エデン、その後」 ★★★★ 4.0

◆"生・性"と"死・私"を繰り返すだけの幻想トリップ、モラトリアム学生たちの自分探しの壮大なる暇つぶし、おっぱいいっぱいモンドリアーン 「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティヴ」の3作目、「不思議の国のアリス」と「O嬢の物語」の恐るべき邂逅と評…

「ヨーロッパ横断特急」 ★★★☆ 3.8

◆映画内映画のメタ構造、現実と虚構に揺れながら3つの視点から観客も監督となって楽しめる「最も成功した、理解しやすい実験映画」 「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティヴ」の2作目、麻薬の運び屋をしている主人公が列車のコンパートメントで映画関係…

「不滅の女」 ★★★★ 4.2

◆「ブッ飛んでイスタンブール♪」異国情緒を彷徨う壮大なかくれんぼ、追いかけても追いかけてもこぼれ落ちていく・・女は永久に不滅です! 20 世紀の世界文学を揺るがした革命的なムーヴメント<ヌーヴォー・ロマン>の旗手として知られる、アラン・ロブ=グリ…

「億男」 ★★ 2.2

◆キャラは濃いが話はお札のように薄っぺらいカード会社のCMレベル、一円玉と一万円札は同じ1g、お金や幸せの価値とは?「プライスレス」 映画プロデューサー・川村元気の同名ベストセラー小説(未読)を「るろうに剣心」の大友啓史監督が映画化。 兄が残…