◆スーパーヒーローを夢見てたあなたへ・・中二病の「元気の子」ダサかっこいいU.S.A「Love and Peace誓うのさ、C'mon Babyアメリカ、サクセスの味方 Organizer♪」
見た目は大人、中身は子供（中2）のスーパーヒーロー映画！DC映画だけどアクアマンと同じく小さい子供から大人まで何も考えずに楽しく見られる。予告を見た時はもっとおバカ映画だと思っていたけど、シンプルに面白く笑えるし、ラストに向けての展開はヒーロー好きにはたまらないし、何より友情・家族愛たっぷりで良かった。全体的にザ・アメリカン（U.S.A）な感じ。
監督はまさかの「ライト/オフ」「アナベル 死霊人形の誕生」のホラーで有名なデイビット・F・サンドバーグ監督を抜擢。ストーリーは大体の展開は予想がつくが、やはり子供ならではの掛け合いが面白く、自分も中２だったら同じようにバカなことをやってしまうだろうなあと思わされる。直球のアメリカン･ジョークも多いが、なかなかシュールな笑いも散りばめられていて、ビールを吹き出して笑ってしまった。
DCらしく見た目は暑苦しいくらいのマッチョぶりだが、その分内面とのギャップがより面白くさせていて、主人公の境遇も思ったよりシリアスだったりとドラマ性もあり。正統派ヒーローでもないし上手くいかないことだらけで、MARVELに対抗するにはキャラも薄い気がする、だからこそ応援したくなるのかもしれないが。
若い主人公が意図せずスーパーパワーを手に入れ、最初は戦いを拒否、でも周囲の人たちとの関係や心の成長を経てスーパーヒーローになっていく・・まさにスパイダーマンと同じなので、DCにおけるスパイダーマンの立ち位置がこのシャザムなのだろう。
ただ、それぞれ子供の時と大人の時が同一人物に感じられなくて違和感あり（ビリーは子供の時かっこよすぎ）、もう少し似た感じの役者はいなかったのだろうか・・あと、この内容で132分は長すぎるかな、ややテンポが悪く中だるみや退屈な場面もあり、もう少しコンパクトに90分程度にまとめた方が良かった気もする。
【演出】
見た目は大人、中身は子供という設定からもトム・ハンクスの「ビック」を思い出させる、中盤のおもちゃ屋でピアノの鍵盤を踏むシーンは明らかにオマージュ、ビックの方が子供ならではの設定を活かしていたかな。
孤児たちを集めた大家族はいいが、キャラクターが多過ぎてそれぞれの背景が弱いし、ビリーの実の母親とのエピソードも希薄。また流行りに合わせて多様化、多民族感を入れ過ぎて（人種がキレイに分かれすぎ）いかにも露骨なアピールに見えてしまうのは残念。
何気なく？オモチャがワンダーウーマンだったり、バットラングが出てきたり、リュックがスーパーマンだったり、ちょこちょこDC愛に溢れているのは見つけて楽しくなった。
デッドプールのライアン・レイノルズに負けないくらい、今作のザッカリー・リーヴァイもハマり役だったのでは。敵役のマーク・ストロングは、さすがの安定感で悪役なのにジェントルマンな佇まいがカッコいい、今回は敵役も親に愛されず否定され親に捨てられた同じような経緯を持っていながらの戦いは良かった。
吹き替え版は見てないが最悪らしく、あの福田雄一監督が監修とのことなので、確かにクセが強く合わない人は合わないだろうな、海外のギャグ映画だからと言って安易に任せるのもどうかと・・どう考えてもアメリカン・ジョークと福田監督のギャグは合わないだろうに。主人公の吹き替えの菅田将暉も評判悪く、合わなさそうな感じだが、どこまで酷いのか逆に吹き替え版も見て見たくなった。。
※ここからネタバレ注意
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【（ネタバレ）ラスト・考察】
まさかラストにファミリー孤児たち全員がシャザムになるとは・・スーパーヒーローかと思いきや、最後に戦隊ヒーローものになるとはさすがに驚いた、アベンジャーズに負けないシャザム・アッセンブルには胸が熱くなった。ビリーより兄弟たちの方がヒーローに向いてるのでは？、それぞれのキャラに合った能力になってくるとより魅力的になるのでは？とも思った。母親との決別、新しい家族となった孤児たち、里親の夫婦との間に生まれる固い絆など、ビリーの物語でもあり、みんなの物語でもあった。
ラストシーンに大先輩のスーパーマンが出てきたり、イラストタッチのエンドロールでは、他のDCジャスティスヒーローたちをバカにしまくっていたり・・DCのシリアスで暗いイメージから明るくさせる存在となるシャザムに期待したくなる。おそらく続編もあるだろうし、ジャスティスリーグとの絡みも出てくるかもしれないと思うと楽しみだ、ただMARVELの作風に寄り過ぎずDCらしさは忘れないでいて欲しい。
見た後は思わず「シャザム！」と言ってヒーローに変身できないか確かめたくなるはず、世の中の子供たちは叫びまくっているだろう・・どこかで変身していて欲しい。
