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「ワイルド・スピード スーパーコンボ」★★★☆ 3.6

◆ハゲしいコンボの掛け合いコントと脳筋全開、予告編どおり頭を空っぽにして馬鹿馬鹿しいほどのアクションにハカらずも笑って楽しむだけ、スーパーワイルドだぜえ!」

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ワイルドスピードシリーズ 9作品目、もはや何でもありのシリーズだが今作はスピンオフの位置づけで完全にアクション映画となっていた。ドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスとジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウ、犬猿の仲の二人がタッグを組んで、いがみあいながらも目の前に立ちふさがる謎の強敵ブリクストンに挑んでいく・・ただ暴れまくるそれだけでカッコよく単純明快で爽快、この手の作品としては期待通り面白かった。

スピンオフなのでワイスピとしては改造車でのカーアクションは少なめだが、この二人ならではの肉弾戦が最も多く最大の見所となっている、普通にロックとステイサムのバディモノで作った別タイトルでも全く問題なし(ワイルドスピードを期待しすぎないように)。

 

監督は「ジョン・ウィック」「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督、本編のワイスピであれだけ壮絶なアクションシーンを見せられると、スピンオフでは多少は色褪せそうなものだが、実写のシーンとCGの組み合わせも上手くアクションシーンは超一級品。今作は敵のイドリス・エルバが人造人間としてターミネーター化していて(AIで相手の次の動きを完全に掌握)SF的世界の強さがあったけど(ブラックパンサーにも見えた)、それを上回る二人の無敵さにはお口あんぐり。。

高層ビルからの落下しながら敵に激突するシーンやロンドンの街中での車とバイクのバトルシーン、特にトレーラーの下をギリギリ通り抜けるバイクは分かっていてもドキドキする。最後のトラックから飛行中のヘリコプターにチェーンを巻き付け素手で引っ張り落とそうとするシーンなど、もはや笑うしかないが、楽しければそれでいい割り切り方は気持ちが良い。

ストーリー自体は単調で面白くはないが、元からそれを期待して楽しむ映画ではないので気にしないで良し・・最初いがみ合ってた2人が戦いを通じて分かり合い協力していくベタベタさ、二人の言い合い掛け合いコントを楽しむべし(顔認証で扉がなかなか開かないシーンでの争いとか笑ってしまう)。

ラスト、決戦の地サモアでのバトルも楽しく、ハイテク装備の軍隊とサモアの原始的な狩猟スタイルの対決という図式が新しくもあり、スローモーションを多用した殴り合いも迫力満点。まさか闘い前にロックファミリーの「ハカ」(ラグビー盛り上がりに合わせたのか?撮影はワールドカップ前だろうが)が見られるとは思わなかったけど。。

後は、ショウの妹役のヴァネッサ・カービーの美しさとカッコよさ(ミッションインポッシブルに続いて最高)、何気に登場するライアンレイノルズ(カメオでなく続編も期待させる)、最後のロックのジャーマンスープレックスなどのサービス精神もさすが。

 

忘れたころに出てくる「ニトロ」や結局「ファミリー」をテーマに落ち着かせるところはワイスピらしくて、エンドロールでそれぞれの家族が再開して再び絆を深め合うのにはウルッときてしまった。。続編もありそうな匂いを漂わせていたし、多分このスピンオフもシリーズ化するのだろう・・

本編含めて敵の強さもアクションシーンのハードルも行きついた感もあるので、どう超えていくのか心配になるくらいだが、楽しみにしていたい。とにかく、何も考えずにただひたすらアクションの凄さを体感する映画で、スカッとしたい時、かっこいいアクションを観たい時にはオススメ!