今年も直前だけど予想しておきます。
今年はNetflixのおかげもあり、主要作品は「1917 命をかけた伝令」と「若草物語」以外は観ることが出来たので、予想しがいあり。
今年は俳優部門は前哨戦のゴールデングローブ賞と全米俳優組合賞でそれぞれ同じ賞を受賞した4人が堅そう。でも昨年は主演女優のサプライズもあり安心はできない。
作品と監督が例年通り無難にいくか、いよいよ革新的に変わるのか、最後まで迷うところ・・ホワイトオスカーや多様性など言われているけど、結局いつも通り保守的に終わる気がする。「1917」が作品賞と監督賞含め多部門を獲って「パラサイト」は国際映画賞とよくて脚本賞ぐらいか。「ジョーカー」も最多部門ノミネートだが賛否が激しいのでかなり厳しそう。
本命◎、対抗馬〇、大穴△
⇒受賞結果が出ました。「パラサイト」が堂々の4冠、監督賞はまだしも作品賞まで獲るとは・・とうとう92年間のアカデミーいや映画業界の歴史が変わりました。予想が外れることを祈っていたけど外れてこんなに嬉しいとは、文句なし納得の受賞結果でした。
この新しい扉が開いたことで、日本の作品もいつか作品賞を獲ることも夢ではなくなった、今の日本の業界構造のままでは厳しいことはみんな分かってはいるので、これを機会に国や観る側を含め本気で変革して欲しい(先ずは恥ずかしいから日本アカデミー賞とか名乗らないで)。
⇒個人的な予想としては作品/監督賞は外したものの、昨年に続いて、その他含めて全体的にはかなり当たった方ではないでしょうか・・24部門中20部門(強引に音響/録音両カウント)。そして外れた4部門も実は〇も入れれば全部当たっていました。。
【作品賞】
個人的には「パラサイト」が獲って歴史を変えて欲しいけど、やはりアメリカ映画賞としてはまだ壁は高いか。「パラサイト」は間違いなく国際長編映画賞を獲るだろうから歴史的にも昨年の「ROMA」と同じく作品賞とのW受賞は厳しそう。またカンヌを制して作品賞を獲るのもほぼあり得ない。
そうなると、監督賞との兼ね合いもあるが「1917」に落ち着かざるを得ない。「1917」は俳優部門ノミネートがゼロなので圧倒的ではないが、他部門でいくつか獲るだろうし前哨戦でもいろいろ獲っているのでやはり順当か。
◎「1917 命をかけた伝令」
〇「パラサイト 半地下の家族」
△「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
「ジョーカー」
⇒受賞 「パラサイト 半地下の家族」
とうとう過去の歴史をぶち破り、英語以外の作品(ましてやアジア)が作品賞を獲りました、
外国語映画賞やカンヌも獲った上に
アカデミー賞までまさに歴史的快挙で興奮が収まらず。誰もが認めるそれだけの作品だし、保守的を超えて評価せざるを得なかったのだろう、本当に素晴らしい。
【監督賞】
作品賞が「1917」となると、監督賞は「パラサイト」にあげたくなるが、全米監督協会賞は「1917」が獲っているので迷うところ。昨年は作品賞を逃した「ROMA」に獲らせているし、アジアの希望として「パラサイト」に獲って欲しいが、結局監督賞も「1917」になる気がする。まだアジアには早いと保守勢力の方が強いのでは。
サム・メンデスは20年前にも作品賞と監督賞を獲っているので、予想が外れることを祈りたい。
あとはハリウッド愛に溢れる「ワンハリ」が初の
タランティーノ受賞で盛り上がるのも見てみたい。
本当に予想が外れて嬉しい、元からの天才ぶりや
アメリカでの人気を考えると、いつかは獲ると思っていたがいきなり作品賞とのW受賞とは、今後も楽しみで仕方がない。他の監督への敬意を表したスピーチも人柄が現れていて良かった。
【主演男優賞】
これは間違いなく
ホアキンで決まり、前哨戦も含め誰もが認めざるを得ない圧倒的な入り込み度だった。
やはり強かった、文句なし。心配されたスピーチも、兄リバーへの言及や過去のトラブルの反省など真摯に伝わってきた。
【主演女優賞】
これもレニーが大本命で決まりだろう、前哨戦でもほぼ制しているし、アカデミーが好む実在の人物を演じている。スカヨハも素晴らしかったがまだ届かないか。
やはり強かった、文句なし。1年かけた歌のレッスンと単なるモノマネに終わらない表現像を作り上げていた。
これも前哨戦と内容的にもブラピしかいないだろう、他の大御所たちは受賞経験もあるし、何よりもみんなブラピが壇上に立ってコメントするのを楽しみにしているはず。30年ぶりの
ジョー・ペシも盛り上がるだろうが。
やはり強かった、文句なし。
タランティーノとディカプリオと一緒に受賞するシーンも見てみたかった。
個人的にはスカヨハも良かったが、やはり
ローラ・ダーンの強烈な印象を残す役柄と演技が抜けている感があり妥当かな。
キャシー・ベイツの出番は少ないながらの存在感もさすがだった。
やはり強かった、文句なし。改めてアダムやスカヨハ含め「マリッジ」の役者陣の素晴らしさを感じた。
監督賞も作品賞も獲っていないが脚本賞は過去に2度受賞しているタランティーノがやはり強いかな。個人的には「マリッジ」が一番だったと思うが、作品も監督も獲れなかったら「パラサイト」に脚本を撮らせる可能性もあるが、韓国語の字幕のハンデを考えると厳しいか。
⇒受賞 ポン・ジュノ/ハン・ジヌォン「パラサイト 半地下の家族」
脚本賞を獲った時点で、作品賞の可能性が見えてきてずっとドキドキしていた。誰もが唸る完璧に計算された完成度でした。
【脚色賞】
何度も映像化された物語を全く新しくアップデートしたこと、そして女性だから監督賞にノミネートされなかったと批判のあるグレタ・ガーウィグに獲らせておく可能性が高いか。個人的には前哨戦も獲っている「ジョジョ」にあげたいけど。
◎「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
「ジョーカー」
【撮影賞】
全編ワンカットにこだわった臨場感あふれる圧倒的な撮影技術で「1917」が妥当かな。
◎「1917 命をかけた伝令」
◯「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
⇒受賞 「1917 命をかけた伝令」
どうやって撮ったのか裏側、メイキングも見たい。
王道のハリウッド好みに仕上げた「フォード」にここで獲らせておくかな、「パラサイト」も可能性あり。
〇「パラサイト 半地下の家族」
緊張感とのバランスも見事。
あの頃のハリウッドを完璧に再現した「ワンハリ」が最有力、「1917」や「パラサイト」も全てのセットなども見事だったので可能性あり。
◎「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
◯「1917 命をかけた伝令」
△「パラサイト 半地下の家族」
⇒受賞 「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
細かい備品まで見事。
【衣装デザイン賞】
予告編や雰囲気から「若草物語」が好まれ強そうな感じ。
◎「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
◯「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
△「
ジョジョ・ラビット」
⇒受賞 「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
溢れる美しさ・センス。
【メイキャップ&ヘアスタイリング賞】
日本出身のメイクアップアーティスト・Kazu Hiro(辻一弘から改名)が特殊メイクで参加した「スキャンダル」に獲って欲しい、希望も込めて。前回受賞したチャーチルに続き今回のセロンも別人にしか見えなかった。
◎「スキャンダル」
◯「ジョーカー」
△「ジュディ 虹の彼方に」
⇒受賞 「スキャンダル」
日本人の誇りで素晴らしいと言いたいが米国籍になっている。スピーチで「日本の文化が嫌になった、夢を叶えるのが難しいからだ」とこの場で言わしめる日本の現状を重く受け止めるべき。
【視覚効果賞】
◎「1917 命をかけた伝令」
⇒受賞 「1917 命をかけた伝令」
戦争や宇宙もの、車のエンジン音などが有利に働く傾向があるので、「1917」と「フォードvsフェラーリ」のどちらかが前哨戦で結果を残していることもあり迷うところ、録音賞と分け合いそうな気がする。音響賞は「1917」かな。
◎「1917 命をかけた伝令」
「ジョーカー」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
録音賞と分け合っているので当たりにしたい。
【録音賞】
音響賞と分け合って録音賞は「フォード」で。逆になるか2つとも「1917」かもしれないけど。
◎「フォードvsフェラーリ」〇「1917 命をかけた伝令」
△「アド・アストラ」
「ジョーカー」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
⇒受賞 「1917 命をかけた伝令」
音響賞と分け合っているので当たりにしたい。
【作曲賞】
「ジョーカー」が前哨戦でも獲っているし、女性の作曲家というのも有利に働きそう。個人的には「マリッジ」のランディーニューマンが好きだけど。
◎「ジョーカー」
◯「1917 命をかけた伝令」
△「マリッジ・ストーリー」
「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの
若草物語」
⇒受賞 「ジョーカー」
結局2部門受賞のみだが内容的に仕方なし。
【歌曲賞】
昨年のレディー・ガガ&ブラッドリー・クーパーの「シャロウ」のような特出した曲がないので難しいところ。タロンとエルトンの共演で盛り上がるのを見てみたい。
◯Stand Up「ハリエット」
I’m Standing with You「ブレイクスルー」
エルトンの歌唱は最高でした。
これは間違いなく「パラサイト」以外はあり得ない。昨年の「ROMA」と同様これを獲ることで作品賞とのW受賞が厳しくなるのがイタいが。
◎「パラサイト 半地下の家族」(韓国)
◯「ペイン・アンド・グローリー」(スペイン)
⇒受賞 「パラサイト 半地下の家族」(韓国)
作品賞も受賞できる道を開いた。
【短編映画賞】
どれも未見なので分からず。
◎「向かいの窓」
◯「兄弟愛」
△「ネフタ・
フットボール・クラブ」
「サリア」
「ア・シスター」
⇒受賞 「向かいの窓」
【長編アニメーション映画賞】
前哨戦のアニメーションのアカデミー賞といわれる「アニー賞」では『クロース』が作品賞をはじめ最多7部門で受賞、個人的にも「トイ・ストーリー4」より素晴らしいと思ったしNetflixに獲って欲しい。が、「アナ雪2」が漏れた分ディズニーピクサー軍の強烈なプッシュと政治力には敵わないのでは。
◯「クロース」
日本では評価が割れたが
アメリカでは絶賛が多かった。
Netflixは残念、他も含めやや厳しい結果だった。
【短編アニメーション映画賞】
どれも未見なので分からず。
◎「ヘア・ラヴ」
◯「キットブル」
△「ドシェラ」
「メモラブル」
「シスター」
⇒受賞 「ヘア・ラヴ」
どれも未見なので分からず、個人的には「娘は戦場」に興味があるが、「アメリカン」なのかな。
◎「アメリカン・ファクトリー」◯「娘は戦場で生まれた」
△
「ハニーランド」
「ザ・ケイヴ」
「ブラジル 消えゆく民主主義」
どれも未見なので分からず。
「眠りに生きる子供たち」
「ウォーク・ラン・チャ=チャ」