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2023年 第95回 アカデミー賞(予想)

昨年は3月末3/28でしたが今年は3/13の開催ということで、直前だけど予想しておきます(昨年はウィル・スミスの平手打ちと「ドライブ・マイ・カー」の印象が強すぎた)。
今年はバラエティに富んだラインナップで何と言っても「トップガン」や「アバター」などのいわゆるハリウッド大作系がノミネートされているのが特徴的、今まではどちらかと言うと映画通・批評家好みの地味な作品が多かったが、近年は徐々に分かりやすい作品も増えてきている。
注目は前哨戦をほぼ制してきて勢いにも乗っている本命の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(長いので今後の表記は「エブエブ」にする)、役者陣も含めてどこまで受賞できるかに注目。とは言え「トップガン」にも作品賞の可能性は十分にあるので最後まで分からないはず。ノミネート数で見ると「エブエブ」最多11部門、「イニシェリン」9部門、「西部戦線」9部門、「エルヴィス」8部門、「フェイブルマンズ」7部門、「トップガン」6部門、「TAR」6部門となっている。
短編やドキュメンタリー以外の主要作品(作品賞は全部)はほぼ観ることが出来たので大体の部門は自分で予想できるが、けっこう固そうな演技賞にサプライズがあるかどうか?、アメリカ以外の海外会員の投票の行方で大きく左右されるので最後まで分からない。あとはインド初のノミネートとなった歌曲賞「ナートゥ・ナートゥ」(RRR)が受賞なるか?含めて現地での高速ダンスで盛り上がるのは間違いない。 

 

 

本命◎、対抗馬〇、大穴△

 

【作品賞】

 

本命は最多11部門にノミネートされた「エブエブ」だろう、斬新な独創性でカオスながらお下品で笑って泣けるSF家族物語、本来不利と言われるSF&アクション&コメディの3つの要素が主体の作品だけに受賞したら本当に画期的。映画会社A24の最大の興行収入となったが、マーベルと違って同じマルチバースでも低予算でここまで面白い映画が作れること、俳優・制作陣ともにアジア系の人材が多いことにも応援したくなる。多様性の方向性も合致して前哨戦ではほぼ勝ち続けており好き嫌いは分かれる作風だがそこまでアンチが多くないのもあり(ただ昔ながらの古い会員は本当についていけるのか?)

次は「トップガン マーヴェリック」で、世界の映画館や業界を救って大成功しただけにみんな大好きで満遍なく票が稼げるはず(続編という足かせはあるが)、いわゆるエンタメ娯楽大作としてノミネートされたのも珍しくここまで大衆的な作品が受賞すれば(ロードオブザリング3以来?)盛り上がりも最高潮になるだろう、アカデミー賞の視聴率低下までも救えるか?。「西部戦線異状なし」は原作のドイツでのリメイクでNetflix配信作、ウクライナでの戦争の残忍さや無意味さを最高レベルの映画技術で訴えかけてくるが、Netflix作品でドイツ語とオリジナルが作品賞を獲っているのがハンデとなるか。「イニシェリン島の精霊」はさすがのマーティン・マクドナー監督らしい批評家受けは抜群の出来だがm前作「スリー・ビルボード」に比べるとやや暗くて地味で分かりやすくはないので票が割れるかも。

「フェイブルマンズ」はスピルバーグ監督の自伝的ドラマで映画愛に溢れていて映画好きにはたまらない一作だが、意外と複雑な家庭環境が赤裸々に描かれていたのはビックリで興行成績が振るわなかったのが痛いか。「エルヴィス」はプレスリー伝説の裏側を描いたゴージャスな演出で魅せてくれるが男優賞の方に期待、「TAR」はトッド・フィールド監督16年ぶりの新作だけに作家性あふれる傑作だがこちらも女優賞の方に期待、「ウーマン・トーキング」はサラ・ポーリー監督らしい女性の視点でのアンサンブルが見事な会話劇だが脚色賞の方に期待、「アバター2」は圧倒的な映像表現が素晴らしい歴代興行収入3位となる超大ヒットだが話の内容が弱いので技術部門各賞に期待、「逆転のトライアングル」はカンヌのパルムドールを2作連続で獲った格差社会を痛烈に皮肉ったブラックユーモアあふれるオストルンド監督にしては分かりやすい娯楽作だが受賞までは厳しいかな。

 

 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

 『イニシェリン島の精霊』

 『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

◎『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 『エルヴィス』

 『逆転のトライアングルー』

△『西部戦線異状なし

   『TAR/ター』

〇『トップガン マーヴェリック』

 『フェイブルマンズ』

  

 
【監督賞】
 
ここは若手とベテラン対決が見物、ダニエルズはまだ30代半ばの監督コンビで長編2作目にして早くも受賞となるか、デビュー作「スイス・アーミー・マン」もイカれた作風だったが、更に輪をかけてカオスにしつつ低予算ながらアクションから映像センス、家族愛あふれる仕上がりには絶賛しかない、ベテラン俳優陣3名を初めてノミネートさせたのも評価ポイントだろう。対決するのは逆に監督歴50年の巨匠スピルバーグ監督でなんと監督賞ノミネートは2年連続9回目!(2度受賞済)で3度目の受賞なるか?、自らの少年時代を映画愛・家族愛をメインに生々しく振り返りながらベテランらしくエンターテインメントにまとめ上げるのはさすが。
マーティン・マクドナー監督は前作は作品賞と脚本賞だったので監督賞としては初ノミネートかな、故郷アイルランドの荒涼とした何もない田舎町を舞台に繰り広げられる突然の絶交宣言からの展開、各俳優の演技を最大限に引き出した演劇作家らしい会話シナリオと演出力が素晴らしい。トッド・フィールド監督は16年ぶり(寡作すぎる)の今作で初の監督賞ノミネート、オリジナル脚本でこれまたケイト・ブランシェットを完璧に活かした作家性あふれる仕上げが見事。リューベン・オストルンド監督はスウェーデン人でカンヌ常連だが今作は初の英語作品にして監督賞初ノミネート、昨年の濱口監督と言い近年は非英語圏の監督ノミネートが定番になってきたのは喜ばしい。
 

スティーヴン・スピルバーグ 『フェイブルマンズ』

ダニエル・クワンダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 トッド・フィールド『TAR/ター』

マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』

 リューベン・オストルンド『逆転のトライアングル』』

 

 
【主演男優賞】
 
ここは3つ巴の決戦で難しいところ、直近の前哨戦や勢いからするとオースティン・バトラーが優位か>脇役からの大抜擢に見事に応えた本人なりきり度合いとライブでのパフォーマンスは圧巻、「ボヘミアン・ラプソディ」でのラミ・マレックが受賞したように若き才能の新たなスターとして今回も獲れるかどうか? ブレンダン・フレイザーは昔の「ハムナプトラ」シリーズで有名だが体調を悪くしてセクハラやうつ病で一線から遠のいていたが、今回は体重270キロの肥満男を見事に演じきった怪演での劇的なカムバックを見ると獲らせてあげたい気もする。
個人的にはコリン・ファレルの困り眉好きなので、今作は特にその眉が突然の戸惑いや困惑ぶりに活かされていて説得力が半端なかった、地味だけど田舎の何もないおじさんにしか見えなかった、他にも「ザ・バットマン」「13人の命」「アフター・ヤン」などでの大活躍ぶりも評価したい。前半の前哨戦ではコリン・ファレルだったが、今の勢いだと若手だがオースティン・バトラーになるのかな。
 

◎オースティン・バトラー『エルヴィス』

コリン・ファレル『イニシェリン島の精霊』

 ビル・ナイ『生きる LIVING』

ブレンダン・フレイザー『ザ・ホエール』

 ポール・メスカル『アフターサン(原題)』

  

 
【主演女優賞】
 
ここは何としてもミシェル・ヨーに獲って欲しいところ、受賞すればアジア人初の主演賞となり、有色人種としてはハル・ベリーに続いて二人目となる快挙、様々なマルチバースで一般市民から、女優、格闘家、料理人、石ころまで多様なキャラクターを演じきって、その姿が本人の生き様の総決算として重なるだけに感慨深い。ただ、演技力そのもので言えばケイト・ブランシェットの今回の演技は更に高次元でのキャリアベストの出来栄えでとにかく圧倒されて凄いの一言、過去に7度ノミネートされて2度受賞済みなので今回はミシェル・ヨーに譲って欲しいところ・・ 
ミシェル・ウィリアムズスピルバーグ監督の母親役を生々しく演じきっていてさすがの安定感で魅せた、5度目のノミネートで獲らせてあげたい気もするが。アナ・デ・アルマスも見事にマリリン・モンローになり切っていたが作品自体が冴えなかったので残念、アンドレア・ライズボローは作品も本人も知らなかったが口コミ中心にサプライズ選出されたとのこと。
 

 アナ・デ・アルマス『ブロンド』

 アンドレア・ライズボロー『トゥ・レスリー(原題)』

ケイト・ブランシェット『TAR/ター』

ミシェル・ウィリアムズ『フェイブルマンズ』

ミシェル・ヨー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 
 
 
ここは固そうでほぼキー・ホイ・クァンで決まりそうな感じ、ベトナム難民からあの「グーニーズ」や「インディ・ジョーンズ2」での有名子役となり、そこから映画製作の裏方に回って今回30年ぶりに表舞台に劇的なカムバックを果たしたという人生ストーリーが映画級。肝心の演技もコミカルで人情味がありカンフーまでこなす姿に涙、前哨戦でも独走状態で感動的なスピーチも好感を呼んでいて本番でも期待したいところ。ブレンダン・グリーソンとバリー・キオガンの「イニシェリン」コンビもそれぞれ素晴らしかった、票が割れるのが惜しいが、今回は相手が強すぎたかな。
 
キー・ホイ・クァン『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
 ジャド・ハーシュ『フェイブルマンズ』

△バリー・キオガン『イニシェリン島の精霊』

 ブライアン・タイリー・ヘンリー『その道の向こうに』

ブレンダン・グリーソン『イニシェリン島の精霊』

 

 
 
ここは難しい>アンジェラ・バセットがここで獲らないとまた白いオスカーと批判されなくないこともあり力が働くかどうか?、ティナ・ターナーを演じてノミネートされて以来、重要な黒人映画に出演・支え続けてきて29年ぶりのノミネート、ボーズマン亡き後の今作では女王役として貫禄のある安定感抜群の演技だった、またマーベル映画としては初めての俳優部門ノミネートというのもポイント、黒人票と海外票がどこまで集められるか?
個人的にはケリー・コンドンが素晴らしくアイルランド人として兄を優しく見守りながら聡明な主人公の妹を見事に演じていたので獲らせたいところ、前哨戦の結果や海外会員票しだいでは獲れそうなだけに。あとは「エブエブ」の二人だが、ジェイミー・リー・カーティスが64歳にして初めてのノミネートで、税務署の職員をユーモアたっぷりに演じていて、最近の前哨戦SAGでの受賞スピーチで流れが来ているので受賞の可能性も高いが、同じステファニーと票が割れると厳しいかな。
 

アンジェラ・バセットブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』

〇ケリー・コンドン『イニシェリン島の精霊』

ジェイミー・リー・カーティス『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 ステファニー・シュー『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 ホン・チャウ『ザ・ホエール』』
 
 
脚本賞
 

基本的には作品賞とリンクしていて圧倒的な新しさの「エブエブ」が強いと思うが、かなり独占してしまうのもあり、ここは敢えて「イニシェリン」の方にしたい、劇作家で舞台出身のマクドナー監督らしい大人の会話劇が本当に見事だった。オストルンド監督のオリジナル脚本もタイトルどおり逆転のトライアングルになるかも?

 

 スティーヴン・スピルバーグトニー・クシュナー『フェイブルマンズ』

ダニエル・クワンダニエル・シャイナート『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

 トッド・フィールド『TAR/ター』

マーティン・マクドナー『イニシェリン島の精霊』

リューベン・オストルンド『逆転のトライアングル』

 

【脚色賞】
 

ここも固いか>「ウーマン・トーキング」のサラ・ポーリー監督が、2018年の同名小説を南米ボリビアでの連続女性暴行事件をベースに見事に脚色しており、サラ監督自身も熱心な活動家だけにウーマンパワーの結集からの問題提起が素晴らしい。過去に「アウェイ・フロム・ハー」でもノミネートされており今回2度目で受賞となるか。 「西部戦線」もテーマを絞ってオリジナルとは少し変えてきて良かったが受賞までは厳しいかな、「トップガン」は脚色賞にノミネートされたのはこのレベルの作品と認められて凄いと思う。

 

 アーレン・クルーガーエリック・ウォーレン・シンガークリストファー・マッカリー/原案:ピーター・クレイグ、ジャスティン・マークス『トップガン マーヴェリック』

エドワード・ベルガー、レスリー・パターソン、イアン・ストーケル『西部戦線異状なし

カズオ・イシグロ『生きる LIVING』

サラ・ポーリー『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

 ライアン・ジョンソン『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』

 

【国際長編映画賞】
 
これは間違いなく「西部戦線異状なし」だろう、前年の「ドライブ・マイ・カー」に続いて、作品賞とのダブルノミネート、技術部門を含め9部門でのノミネートと外国映画とは思えないレベル。「アルゼンチン」もどっしりとした法廷ドラマで見応えあり、あとは未見だが、「EO」はイエジー・スコリモフスキ監督なので早く見てみたい。
 

『アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~』(アルゼンチン)

△『EO(原題)』(ポーランド

 『CLOSE/クロース』(ベルギー))

 『ザ・クワイエット・ガール(原題)』(アイルランド

◎『西部戦線異状なし』(ドイツ)

 

【長編アニメーション映画賞】
 

ここは「ピノッキオ」で間違いない、鬼才ギレルモ・デル・トロ監督による新たな切り口でのダークな世界観でミュージカル形式のストップモーションアニメとして異例の完成度、15年を費やしたこだわりはNetflixの資金力のおかげ、「シェイプ・オブ・ウォーター」で作品賞を獲っているのでアニメでも受賞するのは快挙なのでは。「Marcel the Shell with Shoes On」はA24の配給なので気になるところ、「私ときどきレッサーパンダ」も多様性や様々な悩みを吸収した素晴らしい作品だった。 

 

 『ジェイコブと海の怪物』

◎『ギレルモ・デル・トロピノッキオ』

 『長ぐつをはいたネコと9つの命』

〇『Marcel the Shell with Shoes On』

△『私ときどきレッサーパンダ

 

【撮影賞】
 
ここはてっきり「トップガン」かと思いきやなぜかノミネートされておらず・・この中でいけば「西部戦線」の圧倒的にリアルな現場体験かな。
 

〇『エルヴィス』

△『エンパイア・オブ・ライト』

◎『西部戦線異状なし

 『TAR/ター』

 『バルド、偽りの記録と一握りの真実』

 
編集賞
 
ここはあれだけのカオス要素をよくぞここまで一つの物語にまとめあげたと感心しかない「エブエブ」しかないはず、いったいどれだけの時間をかけたのか?
 

 『イニシェリン島の精霊』

◎『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

△『エルヴィス』

 『TAR/ター』

〇『トップガン マーヴェリック』

 
美術賞
 
ここは「バビロン」の豪華絢爛なセットが強烈なインパクトを残しているので強いかな、「エルヴィス」のド派手なキラキラセットも凄かったけど。
 

△『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

〇『エルヴィス』

 『西部戦線異状なし

◎『バビロン』

 『フェイブルマンズ』

 
【衣装デザイン賞】
 

ここは「エルヴィス」のギンギンギラギラ衣装が強いかな。ブラックパンサーもなかなかのデザインだったけど。

 

 △『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

◎『エルヴィス』

 『バビロン』

〇『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

 『ミセス・ハリス、パリへ行く』

 
【メイキャップ&ヘアスタイリング賞】
 

ここは完璧に本人を再現したヘアも含めた「エルヴィス」が全体的に優勢かな、「ザ・ホエール」の信じられない特殊大肥満スーツにも度肝を抜かれたけど。

 

◎『エルヴィス』

△『THE BATMANザ・バットマン-』

〇『ザ・ホエール』

 『西部戦線異状なし

 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

 
【視覚効果賞】
 
これは「アバター」以外に考えられない、映画館IMAXでの3D革新的映像体験はダントツで凄かった。
 

◎『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

 『THE BATMANザ・バットマン-』

 『西部戦線異状なし

〇『トップガン マーヴェリック』

△『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』

 

【音響賞】
 

ここはさすがに「トップガン」が獲らないと、映画館での臨場感あふれる体験はまさにこの音響もあってこそ、「西部戦線」も戦争の最前線に立たされている緊張感や激しさが伝わってきた。

 

△『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

 『エルヴィス』

 『THE BATMANザ・バットマン-』

〇『西部戦線異状なし

◎『トップガン マーヴェリック』

 
【作曲賞】
 
ここは「バビロン」が強いかな、作品自体は賛否両論あるも劇伴としては狂騒時代を見事に表現したジャズサウンドで世界観を盛り上げていた、デミアン・チャゼル監督の学友(ハーバード大学!)であるハーウィッツは全作品の音楽を担当していて既に「ラ・ラ・ランド」では作曲賞と歌曲賞を受賞済み。「西部戦線」のハウシュカ(エレクトロニカでも有名)の実験的な音響サウンドでの戦争の恐怖を表現していたのも見事だった。あとは、「フェイブルマンズ」での巨匠ジョン・ウィリアムズ(90歳超え!)の健在ぶりもさすが。
 

 『イニシェリン島の精霊』

 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

〇『西部戦線異状なし

◎『バビロン』

△『フェイブルマンズ』

 
【歌曲賞】
 

ここでいよいよ「ナートゥ・ナートゥ」の登場、前哨戦や人気具合から見ても大本命で、会場での高速ダンスの盛り上がりが目に浮かぶよう。日本でもいまだ大人気で米国でも映画賞を獲得していて、本来ならば国際映画賞にノミネートされるべきだが何故か母国インドで代表に選出されなかったので(イギリスに配慮した>まさかね)、この歌曲賞のみとなった。ただ選ばれればインド映画として史上初のアカデミー賞受賞となる記念日となるかどうか? あとはリアーナの「リフト・ミー・アップ」やレディ・ガガの「ホールド・マイ・ハンド」は普通に曲として良く聞いた。

 

 『アプローズ』(私たちの声)

 『ディス・イズ・ア・ライフ』(エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス)

◎『ナートゥ・ナートゥ』(RRR)

〇『ホールド・マイ・ハンド』(トップガン マーヴェリック)

△『リフト・ミー・アップ』(ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー)

 
【短編映画賞】
 
唯一観ることの出来た「無垢の瞳」はキリスト教の全寮制学校での厳格な指導のもとで生活する少女たちを瑞々しく繊細に描いていた、監督はアリーチェ・ロルバケルと聞いて更に納得の完成度。
 

〇『アン・アイリッシュ・グッバイ(原題)』

 『イヴァル(原題)』

△『ザ・レッド・スーツケース(原題)』

 『真冬のトラム運転手』

◎『無垢の瞳』

  

【短編アニメーション映画賞】
 
唯一観ることの出来た「ぼく モグラ キツネ 馬」はベストセラー絵本が原作だが、手書きのアニメで原作イラストまんまを動かしていて物語もシンプルな中での深い味わい深かった。
 

 『ガチョウの言う通り、この世は偽物かも アン・オストリッチ・トールド・ミー・ザ・ワールド・イズ・フェイク(原題)』

〇『氷を売る親子 アイス・マーチャンツ(原題)』

 『空飛ぶ水兵 ザ・フライング・セーラー(原題)』

◎『ぼく モグラ キツネ 馬』

△『私のディック時代 マイ・イヤー・オブ・ディックス(原題)』

 

 
ここは現在の社会情勢を踏まえても「ナワリヌイ」が優勢かな、ロシア・プーチン政権による毒殺実行により殺されかけた反体制派弁護士ナワリヌイの記録、昏睡状態の病院から密着して犯人を特定する真相究明までの一部始終を捉えた命がけの映像は緊迫感にあふれており、笑顔を絶やさずに前向きに進む姿には勇気をもらえた。未見だが「オール・ザ・ビューティー・アンド」はベネチア映画祭にてドキュメンタリー映画ながら史上初の作品賞を受賞しているので早く見たい。
 
 『ア・ハウス・メイド・オブ・スプリンターズ(原題)』

〇『オール・ザ・ビューティー・アンド・ザ・ブラッドシェッド(原題)』

 『オール・ザット・ブリーズス(原題)』

◎『ナワリヌイ』

△『ファイアー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦』

 
 
意外とNetflixYOUTUBEで見られる作品も多く、その中では「エレファント・ウィスパラー」のインドで野生の象の保護活動をする夫婦の物語、親を亡くした小象とのやり取りがグッときた。
 

◎『エレファント・ウィスパラー:聖なる象との絆』

△『ストレンジャー・アット・ザ・ゲート(原題)』

 『ハウ・ドゥ・ユー・メジャー・ア・イヤー?(原題)』

〇『ホールアウト(原題)』

 『マーサ・ミッチェル -誰も信じなかった告発-』