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2022年 第94回 アカデミー賞(予想 ⇒ 結果)

昨年は4月末でしたが今年は3月末3/28の開催、直前だけど予想しておきます。

今年は多くの劇場が再開して昨年延期になった大型・注目作も公開されたが、ノミネート結果は意外と今年も地味めなラインナップとなった。そして、授賞式はバーチャル形式、試写会もオンラインでリモート審査となったことがどう影響してくるか、今年の予想も難しい。

注目は前哨戦を牽引してきた本命の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」で、Netflixの配信作がついに作品賞を受賞して歴史が作られるかどうか? あの「ROMA ローマ」も前哨戦では圧勝してたのに逃した過去もあるが、そろそろ配信作も認められるのでは。

短編やドキュメンタリー以外の主要作品はほぼ観ることが出来たので大体の部門は自分で予想できるが、演技賞はまたサプライズがありそうで難しい。あとは4部門ノミネートされた「ドライブ・マイ・カー」がどこまで健闘できるか、受賞スピーチ含め楽しみで仕方がない。

 

⇒結局「コーダ あいのうた」が配信作品として初の作品賞受賞となった。アメリカではApple TV+の配信作品だが、元は独立系製作でAppleが買い取ったもので劇場公開もされており純粋な配信会社作品とは言えないのかも(それでも新しい歴史が一歩動いたのは間違いない)。やはり、SAGに続き直近でのPGAで受賞した勢いが大きくそのまま逆転した結果なのかな。

今回も「パワー・オブ・ザ・ドッグ」がNetflix配信作品として最多12部門ノミネートされ大本命と言われながらも、わずか3部門ノミネートの「コーダ」にさらわれたのは、同じく「ROMA」が「グリーンブック」に逆転された時と同じような背景・力も感じる。個人的には監督賞や技術賞に全くノミネートされてないのに作品賞は違和感あり、一方で12部門ノミネートされて結局監督賞しか獲らせてもらえなかったのは、結局、Netflix配信へはいまだ変わらず「映画は映画館のスクリーンで観るもの」の抵抗勢力や概念が根強いということなのか。。

あとは全体的には大きなサプライズは無く(ウィル・スミスの件以外は)、ほぼ順当な結果だったのでは。作品賞は外したけど、個人予想としては「23部門中19部門の的中」とかなり当たった方ではないでしょうか・・(敢えての願望と読みが外れたのは残念)。あとは「DUNE  砂の惑星」が前評判通り技術関連では6部門と最多受賞なのは凄かった。

それでもとにかく「ドライブ・マイ・カー」が久しぶりに受賞して日本映画ここにありを示してくれたことは感動的だった。ぜひこの流れを断ち切らないように政府をはじめ映画業界全体で盛り上げていって欲しいと切に願う。。

 

 

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本命◎、対抗馬〇、大穴△

 

 

【作品賞】

 

本命は最多12部門にノミネートされたNetflix配信「パワー・オブ・ザ・ドッグ」だとは思うが、Apple配信「コーダ あいのうた」もPGA(全米プロデューサー組合賞)やSGAアワードを獲っていて勢いがあり、どちらが獲っても初の配信作品の受賞となる。それぞれ男性性の呪縛やろうあ者というジェンダー多様性にもふさわしい。「コーダ」は女性監督で障がい者もので万人受けだけど、フランス映画のリメイク作品で監督賞ノミネート無しというのがどう影響するか。

未だ配信作品への拒否反応が強い場合は「ベルファスト」か「ウエスト・サイド・ストーリー」に流れるかもしれない。「ベルファスト」は北アイルランド紛争下の少年の物語で現在のウクライナを連想させるメッセージ性もあるが、スケール感や前哨戦含め勢いが弱いのが難点。「ウエスト」は過去1961年に受賞している作品のリメイク(スピルバーグ11作目!の作品賞ノミネート)、「DUNE」は続編ありの途中の作品でメインは技術賞で多く獲るだろう、「ドリーム」は王道アメリカンドリームものだがウィル・スミスがメイン、「ドント」はこういうブラックユーモア作品も好きだけど今回は違う、「ナイトメア」「リコリス」も各巨匠の作品として最高傑作まではいかない、これらの理由で厳しいと思われる。

日本映画としては史上初めてノミネートされた「ドライブ・マイ・カー」も非英語作品として評価は高く「喪失と再生」のテーマで(こちらも男性性の呪縛や手話なども含む多様性あり)可能性は十分にあるとは思うし期待したい。6つの批評家賞では作品賞を獲って批評家受けは良いが、さすがに昨年の「パラサイト」のような勢いや娯楽性は無く2年連続のアジア作品での受賞は厳しいのが実態かな。

 

 『ウエスト・サイド・ストーリー』スティーブン・スピルバーグ監督

〇『コーダ あいのうた』シアン・ヘダー監督

 『DUNE/デューン 砂の惑星ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

△『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督

 『ドリームプラン』レイナルド・マーカス・グリーン監督

 『ドント・ルック・アップ』アダム・マッケイ監督

◎『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ジェーン・カンピオン監督

 『ベルファストケネス・ブラナー監督

 『ナイトメア・アリー』ギレルモ・デル・トロ監督

 『リコリス・ピザ』ポール・トーマス・アンダーソン監督

  

⇒『コーダ あいのうた』
勢いそのまま最終的には「コーダ」でした、確かに本当に万人受けでろうあ者家族の純粋な感動ものの作品なので、採点付けでは有利だったのは間違いない(賛否が分かれる「パワー・オブ・ザ・ドッグ」は幅がブレる)。個人的には元のフランス映画「エール」を観ていたのでこのリメイクが作品賞受賞までは無いかなと思っていた(「ディパーテッド」が香港映画のリメイクで過去に受賞はしているが・・個人的には違う)。
まあ、こういう誰もが素直に感動できて勇気をもらえる作品が獲るのも、良いなあと改めて感じた。いまの世相や社会状況、配信作への抵抗もあり、Netflix作品は今回も苦汁を飲んだ結果となったが、いずれ有無を言わせぬ圧倒的な傑作でリベンジして欲しい。お互いが競い合って最高の作品が生まれていくのを期待したい。
 
 
【監督賞】
 
これはほぼ間違いなくジェーン・カンピオンが固いかな、昨年のクロエ・ジャオ「ノマドランド」と同じく、前哨戦でも圧倒的で会員の中でもファンが多いとされていて、2年連続の女性監督というのも時代の潮流からしても順当か。
ケネス・ブラナーもまさに今の世界情勢に合っているがやや無難なまとめで厳しいか、スピルバーグも念願のミュージカルでの熱量と技術は近年ではベストだが、やはりジェーン・カンピオンが揺るぎないかな。濱口監督は個人的には獲って欲しいが、黒澤明監督「乱」以来36年ぶり、勅使河原宏監督「砂の女」含め史上3人目のノミネートだけでも十分すぎる感動。
93年の第66回では、初ノミネートされた「ピアノ・レッスン」がスピルバーグ(今回で8度目、70年代から2020年代まで各世代でノミネート!)の「シンドラーのリスト」に惜しくも及ばなかったが、今回は再びの対決でその雪辱を晴らすことになるのか・・
 

ケネス・ブラナーベルファスト

ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 スティーブン・スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』

濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』

 ポール・トーマス・アンダーソンリコリス・ピザ』

 

ここは順当でした、「ピアノ・レッスン」からなかなか傑作には届かなくて歯がゆい思いもあったが、女性監督としてのパイオニアとして今回リベンジを果たして受賞できたのはさすが。結局、12部門の最多ノミネートされた「パワー・オブ・ザ・ドッグ」は、この監督賞のみという結果は残念だったが、このノミネートされた全部門のレベルの高さと役者4名のノミネートも含め、作品賞に値する素晴らしさだっと思う。
 
 
【主演男優賞】
 
ウィル・スミスかカンバーバッチか、待ちに待った感もありどちらにも獲らせてあげたいところ。前哨戦ではカンバーバッチが強いかと思っていたが、重要な賞を着実に獲っているウィル・スミスの方が安定してそのまま獲りそうな気がする。
正直、個人的には芸術的な演技技術の面だとカンバーバッチだが、会員の仲間や3度目でそろそろ感を考えるとウィルの方に流れそう(昨年の故ボーズマンへのコメントもあり?)。ただ、昨年も技術では上だったアンソニー・ホプキンスがサプライズ受賞しただけに今年も全く分からない。あとは、アンドリュー・ガーフィールドも素晴らしかったが、二人に比べると少し弱いかな。
 

アンドリュー・ガーフィールド『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』

◎ウィル・スミス『ドリームプラン』

 デンゼル・ワシントンマクベス

 ハビエル・バルデム『愛すべき夫妻の秘密』

ベネディクト・カンバーバッチ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

  
⇒「ウィル・スミス」
発表前にまさかのハプニング、長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターのクリス・ロックに妻を侮辱され、駆け寄っていって平手打ち・・一瞬演出なのかと思った、さすがにこの正式な場であの発言は無いわ、かといって暴力は絶対にダメで両方とも悪いが、その後の反省コメントも含めて更に男を上げる結果となったのかな、とにかく念願の受賞で良かった(デンゼル・ワシントンの助言がさすが別格)。ビーナスとセリーナ・ウィリアムスが来ている時点で受賞は見えていたけど・・
 
 
【主演女優賞】
 
ここが本命がなく大混戦で一番難しいところ、前哨戦はクリスチャン・スチュワートが強かったが、ここにきてAPP(アメリカ俳優組合賞)ではノミネート無しとなり、常連になりつつあるオリヴィア・コールマンが浮上してきた。今までも含め会員の中のファンは多いようで、2年前に受賞した短いスパンで2回目の受賞となるかどうか・・ニコール・キッドマンの全くタイプの違うコメディ役も良かったが、個人的にはいまだ無冠のジェシカ・チャステインに獲ってもらいたい、SAGアワード(俳優組合賞)で受賞した勢いもあり、全く別人になりきった熱演は凄かった。
 

オリヴィア・コールマン 『ロスト・ドーター』

 クリステン・スチュワート『スペンサー ダイアナの決意』

ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』

ニコール・キッドマン『愛すべき夫妻の秘密』

 ペネロペ・クルス『Parallel Mothers』

 
ようやく3回目のノミネートにして初の受賞となり個人的にも嬉しかった。本来なら「ゼロ・ダーク・サーティ」で獲っておくべきだったが。
 
 
 
こちらも前哨戦ではコディ・スミット=マクフィーが強かったが、ここにきてトロイ・コッツァーの方が優勢になってきているような。実際のろうあ者としてのリアルな演技はアカデミー賞にふさわしく、ろうあ者として史上二人目の受賞となるかどうか(SAGアワード受賞の手話でのスピーチが感動的で今回も注目)・・
一人目は1986年のマーリー・マトリンで、なんと今回の「コーダ」ではトロイの妻役というめぐり合わせがより拍車をかけるかも? ジェシー・プレモンスは初ノミネートで役柄も実際も妻であるキルステイン・ダンストとの夫婦受賞も見てみたいし、キアラン・ハインズはキャリア40年の大ベテランだが初ノミネートで今回の大穴かも。
 

キアラン・ハインズベルファスト

〇コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 ジェシー・プレモンス『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 J・K・シモンズ『愛すべき夫妻の秘密』

◎トロイ・コッツァー『コーダ あいのうた』

 
⇒「トロイ・コッツァー」
やはり強かったですね、男性ろうあ者として初の受賞、手話での受賞スピーチも素晴らしかった。
 
 
 
ここはアリアナ・デボーズが大本命で固そう、カリスマ性あふれるダンスや存在感は抜群で、前回の1961年版「ウエスト・サイド・ストーリー」では同じアニータ役でリタ・モレノ助演女優賞を獲っているので、今回も獲って盛り上がれるかどうか・・リタに続いて久々のラティーナ女優としての受賞も多様性にもふさわしい。
キルステインも意外と初ノミネートで病んでいく感じが素晴らしかったけど、個人的には芸歴30年でようやく認められたアーンジャニューも良かった。ジュディ・デンチはさすがの存在感で8度目のノミネートは凄い。
 

◎アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』

△アーンジャニュー・エリス『ドリームプラン』

キルスティン・ダンスト『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 ジェシー・バックリー『ロスト・ドーター』

 ジュディ・デンチベルファスト

  
⇒「アリアナ・デボーズ」
これは順当でした、受賞スピーチで1961年版で受賞したリタ・モレノにも感謝しつつ、クィアLGBTの一つ)を公表した黒人女性、そしてアフロラティーナとして初の受賞となり、映画の曲の歌詞を引用したメッセージコメントが素晴らしかった。
 
 
脚本賞
 

基本的には作品賞とリンクしており脚色賞と分かれるが、この中だと「ベルファスト」になるだろうか、現在の世界情勢も踏まえ作品・監督どちらも獲れなければ脚本で獲りたいところ。「ドント・ルック・アップ」のアダム・マッケイらしさ全開の面白さや「リコリス・ピザ」のPTA節炸裂の2作品も獲ってもおかしくない・・個人的には脚本脚色で5回目ノミネートのPTAにそろそろ獲らせてあげたい。

 

△アダム・マッケイ『ドント・ルック・アップ』

 エスキル・フォクト、ヨアキム・トリアー『The Worst Person in the World』

ケネス・ブラナーベルファスト

 ザック・ベイリン『ドリームプラン』

ポール・トーマス・アンダーソンリコリス・ピザ』

 

⇒「ケネス・ブラナー

ここで「ベルファスト」が獲れて良かった、監督の幼少期の実体験も含めた半自伝的作品で反戦への想いを込めたメッセージが響いて、良い脚本だった。しかし、役者としても監督としても脚本家としても全てにおいて素晴らしい。

 

 

【脚色賞】
 

ここも実際はジェーン・カンピオンが本命で強いとは思う、作品賞とリンクして映画の完成度は非常に高い。個人的な願望と可能性としては十分にありえる濱口・大江コンビに是非とも日本史上初の受賞をしてもらいたいので敢えて。あの村上春樹の短編をらしさを残しながら劇中劇のチェーホフも連動させ完全なオリジナル作として昇華させた素晴らしさ、カンヌでも脚本賞を獲っているし、日本語のハンデも決して負けてはいない。「コーダ」もフランス映画のリメイクとして作品賞の代わりにこちらを獲る可能性もあり。

 

△シアン・ヘダー『コーダ あいのうた』

ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴエリック・ロス『DUNE/デューン 砂の惑星

濱口竜介、大江崇允『ドライブ・マイ・カー』

 マギー・ジレンホール『ロスト・ドーター』

 

⇒「シアン・ヘダー」

作品賞とリンクしているので、先にこの脚色賞を受賞したことで「コーダ」が作品賞を獲るだろうと思った。元の「エール」からの脚色は確かにアメリカを感じさせるものではあったが、正直言って「ドライブ・マイ・カー」の方が脚色という点でははるかに優れていたかと思う。

 

 

【国際長編映画賞】
 
これは間違いなく「ドライブ・マイ・カー」以外はあり得ない、前哨戦も圧倒的な強さで国際映画賞では敵なし状態、監督賞含め4部門のノミネートは改めて凄すぎる。受賞すれば2009年の「おくりびと」以来13年ぶりで日本映画としては通算5作目、あの「羅生門」「地獄門」「宮本武蔵」と並ぶ傑作ぶり。あとは脚本賞にもノミネートされた「わたしは最悪」も気になるが、ブータン映画の初ノミネート「山の教室」は心温まる作品だった。
 

◎『ドライブ・マイ・カー』(日本)

 『The Hand of God』(イタリア)

 『ブータン 山の教室』(ブータン

△『Flee』(デンマーク

〇『The Worst Person in the World わたしは最悪』(ノルウェー

 

⇒「ドライブ・マイ・カー」

やはり圧倒的でした、本当におめでとうございます、日本映画の力を全世界に伝えてくれてありがとう。受賞スピーチも達者な英語で、役者のみんなと会場に来れなかった三浦透子の名前を呼んでくれたのはジーンときた。

 

 

【長編アニメーション映画賞】
 

ここは2強の争いになると思う、王道ディズニーの多様性を意識した本格ミュージカルの芸術的な演出での「ミラベルと魔法だらけの家」か、配信限定の不利さはあるがストーリーの面白さや斬新で独創性あふれる「ミッチェル家とマシンの反乱」か。個人的にはディズニー&ピクサー作品は常勝すぎるので(今回も3作品)、「スパイダーバース」を更に発展させた映像表現でアニメ最高峰のアニー賞を受賞した「ミッチェル」を推したい。

 

 『あの夏のルカ』

△『Flee』

◎『ミッチェル家とマシンの反乱』

〇『ミラベルと魔法だらけの家』

 『ラーヤと龍の王国』

 

⇒「ミラベルと魔法だらけの家」

ここはサプライズ起きず、やはりディズニーが強かった。テーマとクオリティの高さ、何よりもアメリカでの大ヒットと万人受けの要素を見れば採点も高くなるのは間違いない。

 

 

【撮影賞】
 
映画館のIMAX大画面で観るべき「DUNE/デューン 砂の惑星」の圧倒的な映像美が素晴らしかった。「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の大自然や荒野の乾いた厳しい現実を反映した情景も見事で、個人的には女性の撮影監督として初の受賞というのも見てみたい。あとは「ウエスト・サイド・ストーリー」の計算されたカメラワークも良かった。
 

△『ウエスト・サイド・ストーリー』

◎『DUNE/デューン 砂の惑星

〇『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 『ナイトメア・アリー』

 『マクベス

 
これは順当の強さでした。
 
 
編集賞
 
本命は「DUNE/デューン 砂の惑星」で、ヴィルヌーヴ監督の世界観を見事につないでいた。基本は作品賞とリンクするので「パワー・オブ・ザ・ドッグ」も独特の感性が光っていた、あとは「ドリームプラン」も良かったけど、個人的には「ドント・ルック・アップ」が好みだったから獲って欲しい。
 

 『tick, tick… BOOM! : チック、チック…ブーン!』

◎『DUNE/デューン 砂の惑星

 『ドリームプラン』

△『ドント・ルック・アップ』

〇『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 

これも順当の強さでした。
 
 
美術賞
 
ここも「DUNE/デューン 砂の惑星」が強いか、セットとは思えないSFの世界観を見事に表現していた。あとはデル・トロ作品には欠かせないダークな世界を作り上げていた「ナイトメア・アリー」かな。
 

△『ウエスト・サイド・ストーリー』

◎『DUNE/デューン 砂の惑星

〇『ナイトメア・アリー』

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 『マクベス

 

⇒「DUNE/デューン 砂の惑星

これも順当な強さでした。

 

 

【衣装デザイン賞】
 
悪女クルエラの奇抜かつ優雅でキャラクターとストーリーを見事にテーマと印象付けていた「クルエラ」が強いか。
 

〇『ウエスト・サイド・ストーリー』

◎『クルエラ』

 『シラノ』

△『DUNE/デューン 砂の惑星

 『ナイトメア・アリー』

 

⇒「クルエラ」

これも順当な強さでした。

 
 
【メイキャップ&ヘアスタイリング賞】
 

全体的に「タミー・フェイの瞳」が強いか、ジェシカ・チャステインの怪演を見事なメイクでサポートしていた。「クルエラ」のエマ・ストーンも良かったけど。「ハウス・オブ・グッチ」はむしろ衣装デザイン賞でノミネートされなかったのは痛い。

 

〇『クルエラ』

◎『タミー・フェイの瞳』

 『DUNE/デューン 砂の惑星

△『ハウス・オブ・グッチ』

 『星の王子ニューヨークへ行く2』

 

⇒「タミー・フェイの瞳」

これも順当な強さでした。

 

 

【視覚効果賞】
 
特大ヒット「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は結局このノミネートだけなので獲らせてあげたいが、やはりここも「DUNE/デューン 砂の惑星」が大本命で強いか。
 

 『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

〇『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

◎『DUNE/デューン 砂の惑星

△『フリー・ガイ』

 

⇒「DUNE/デューン 砂の惑星

これも順当な強さでした。

 
 
【音響賞】
 

これも映画移管のIMAXでの圧倒的な音の世界を体験させられた「DUNE/デューン 砂の惑星」だろう。砂の惑星の音は本当にこういう音なんだろうと実感させられた。あとはミュージカルで音が直結する「ウエスト・サイド・ストーリー」かな。

 

〇『ウエスト・サイド・ストーリー』

△『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

◎『DUNE/デューン 砂の惑星

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

 『ベルファスト

 

⇒「DUNE/デューン 砂の惑星

これも順当な強さでした。

 
 
【作曲賞】
 
大ベテランのハンス・ジマーらしい「DUNE/デューン 砂の惑星」が強いか、DUNEを手掛けるのを夢見ていたというだけあって、地球外の音楽を作り出すために楽器を作り新しい弾き方?を生み出したというこだわりぶり。「ミラベル」のミュージカルナンバーも良かったが、個人的には「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジョニー・グリーンウッドRADIOHEAD)の心情を説明しているかのような劇伴も素晴らしかった。
 

◎『DUNE/デューン 砂の惑星

 『ドント・ルック・アップ』

 『Parallel Mothers』

〇『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

△『ミラベルと魔法だらけの家』

 

⇒「DUNE/デューン 砂の惑星

これも順当な強さでした。結局、前評判どおり、技術関連部門では圧倒的で6部門受賞と最多受賞の結果となりました。

 
 
【歌曲賞】
 

「ドリームプラン」のビヨンセの力強い歌声や「ミラベルと魔法だらけの家」の楽曲も印象に残っているが、やはり会場で「ノー・タイム・トゥ・ダイ」をビリー・アイリッシュが歌うのを見てみたいところ・・

 

△“Be Alive”『ドリームプラン』

〇“Dos Oruguitas” 『ミラベルと魔法だらけの家』

 “Down to Joy”『ベルファスト

◎“No Time To Die”『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

 “Somehow You Do”『Four Good Days

 
⇒“No Time To Die”『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
ビリー・アイリッシュの存在感含めさすがでした。
 
 
【短編映画賞】
 
どれも未見なので分からず。「サウンド・オブ・メタル」のリズ・アーメッド主演の「The Long Goodbye」が気になるところ。
 

〇『Ala Kachuu – Take and Run』

△『The Dress』

◎『The Long Goodbye』

 『On My Mind』

 『Please Hold』

 

⇒「The Long Goodbye」

未見だけど当たりました。

 

 

【短編アニメーション映画賞】
 
唯一Netflixで観ることの出来た「ことりのロビン」はフェルトで作ったストップモーションアニメで良く出来ていた(ストーリーは普通だけど)。
 

 『Affairs of the Art』

〇『Bestia』

 『ボクシングバレー』

◎『ことりのロビン』

△『The Windshield Wiper』

 

⇒「The Windshield Wiper」

未見なので分からず、確かに「ことりのロビン」はストーリーが普通だった。

 

 

 
観たのは「サマー・オブ・ソウル」だけでブラック・ミュージックの圧倒的なパワーにしびれまくり、50年間地下に眠っていた記録を音楽映画としてもドキュメンタリー映画の価値としても素晴らしかった。ただ、「Flee」は国際長編や長編アニメを含め3部門でノミネートされているので気になって是非観てみたいところ。
 

 『Ascension』

△『Attica』

〇『Flee』

◎『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)

 『燃え上がる記者たち』

 

⇒「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」

これも順当な強さだったのかな、音楽好きにはたまらないソウルフルな映画でした。

 
 
 
どれも未見なので分からず。女性で唯一NBAドラフト指名を受けた選手の「The Queen of Basketball」が面白そうで多様性の視点で選んでおく。
 

△『オーディブル: 鼓動を響かせて』

 『私の帰る場所』

◎『The Queen of Basketball』

〇『ベナジルに捧げる3つの歌』

 『When We Were Bullies』

 

⇒「The Queen of Basketball」

これも未見だけど、当たりました。